先週のPC系ニュース記事はSurface一色だったが、多くの読者が気になるのは「どのモデルを購入するか」「Surface Bookまで待つか」「今回は見送るか」といったあたりだろう。今回は、「Surface Pro 4はどのモデルがお得か」という観点から、国内で発売されるモデルを精査する。

ここで立ち位置を明らかにするため、筆者はCore m3 / 128GBモデル (税込134,784円) を既に予約したことを最初にお知らせしておこう。Surface Pro 4のラインナップと価格は下表の通りだ。

Surface Pro 4は下位3モデルが11月12日発売。Core i7搭載の上位3モデルは12月の発売予定だ

まずはスペック面から考えてみよう。CPUは、Core m3、Core i5、Core i7からの三択となる。発表会の展示機やIntelの資料からモデルナンバーまで特定すると、Core m3-6Y30、Core i5-6300U、Core i7-6650であることが濃厚だ。

外出先でもデスクトップPCに相当するパフォーマンスを求めるのであれば、Core i5やCore i7を選択すべきである。だが、生産性もさることながら携帯性を優先する場合、Core m3モデルがもっともコストパフォーマンスが高いモデルだと感じた。

メモリ容量は悩ましい。64ビット版のWindows 10を快適に動かすには、4GBでは正直心細いが、出不精な筆者はデスクトップPCで原稿を書くスタイルを常としている。あくまでもSurface Pro 4を「持ち歩けるサブマシン」として考えているので、今回は許容することにした。

SSD容量はアプリケーションのインストール領域を考えると、256GB以上が安心だ。しかし、WindowsフォルダーやOffice 365のフォルダーを合計しても20GBを超える程度。日々のデータをすべてOneDrive上に保存するスタイルであれば、128GBでも十分と判断した。

もっとも、このあたりはSurface Pro 4をPC利用シーンのコアデバイスとするか否かで判断が分かれるので、「4GBでよし、128GBでよし」と断言するつもりはない。

10月23日からMicrosoft Storeや量販店で全モデルの予約を受け付けている

今度は価格について考えたい。日本マイクロソフト 代表執行役社長の平野拓也氏は「新しい製品を出す時は毎回時間をかけて検討している。Surface Pro 4は以前のモデルを引き継いでいるものの、Windows 10の能力をふんだんに引き出す機能を搭載した。その付加価値や為替の影響を鑑みて価格設定を行っている」と筆者に述べていた。

例えば、米国のCore m3 / 128GBモデルは899ドルだが、日本の税別価格は12万4,800円である。また、筆者が2013年に購入したSurface Pro 128GBモデルは約100,000円だったが、実質的にそこから数万円アップした形だ。以前よりも高額になるのはSurface Pro 3の価格改訂の時点で明らかだったが、二の足を踏む方も少なくないだろう。

さらにSurfaceペンは付属するものの、ペン先を変更する「Surfaceペン先キット」は別売。新たに設計した「Surface Pro 4タイプカバー」もオプションだ。さらに、Surface Pro 4をメインPCとして使う場合は「Surfaceドック」も用意したい。このように、本体に加えてこれらアクセサリーの予算確保も必要となる。

Surface Pro 4タイプカバーは税込17,712円

Surfaceペン先キットは税込1,512円

だが、冒頭で述べたとおり筆者はSurface Pro 4を購入することにした。他社の2-in-1 PCという選択肢もあるが、約766g(Core m3モデル)という軽量感、12.3インチ/2,736×1,823ピクセルのPixelSenseディスプレイ、Windows Helloによる顔認証、Surfaceペンの改良など総合的に見れば、Surface Pro 4に匹敵する対抗馬を即答するのは難しいだろう。

上位モデルを欲するユーザーは12月発売予定のCore i7モデルではなく、「Surface Book」を来年初頭まで待つという選択肢もある。だが、価格はさらに高額になるのではないだろうか。陳腐な言葉だが、"欲しい時が買い時"である。自身の利用シナリオを想定しながら判断してほしい。

阿久津良和(Cactus)