最後に紹介するのは、フォトレタッチの「PhotoDirector 7」である。サイバーリンクの「PhotoDirector」は、デジカメのRAW形式への対応や人物写真の修正といった機能が特徴である。このバージョンでも、ユニークな機能が追加された。新機能は、以下の通りである。

図16 「PhotoDirector 7」の新機能

ここでは、3つの新機能を見ていきたい。まずは、「レイヤー編集」である。主な機能は、以下の通りである。

  • 最大100枚のレイヤー、14種類の描画モード
  • レイヤー名の変更、複製、削除、写真の調整、結合などの機能
  • ペン、消しゴム、図形、テキスト、選択、塗りつぶし、グラデーションなどのツール

「レイヤー編集」は、一般的なフォトレタッチソフトが持つレイヤー機能と同じである。実際に2枚の画像を合成したのが、図17だ。

図17 レイヤーによる合成

次は、「ぼかしツール」である。ツールには、リニア、サークル、ブラシの3種類がある。図18の例は、サークルツールを使った例。

図18 サークルツールでぼかし

[ぼかしの種類]では、ソフトフォーカス、ピンぼけ、放射状、、焦点ズームの4つがア選べる。さらに、[ぼかしの形状]では、円形や星、ハートなど4つの形を選ぶことができる。これらを組み合わせていると予想もしない効果が得られることがあり、結構楽しい。

最後が、ボディ補正と美顔ツールである。こちらは、実際に使ってみるとわかりやすい。[フェイスツール]を選択すると、「小顔」「テカリ消し」「デカ目」「クマ消し」「しわ消し」の5つタブが表示される。

図19は、小顔とテカリ消しで[パーツポイントの表示]をチェックした状態である。顔の輪郭は青の□、テカリは白い線で囲まれる。あとはスライダーを動かし、理想の画像に調整していく。

図19 小顔とテカリ消し

このほか、バージョン13では、複数の集合写真からベストな笑顔を選び出し、みんなが笑顔の集合写真を作成するフェイススワップという機能が搭載された。この機能もそうであるが、顔の部分の自動判定が重要な役割を持つ。フェイスツールでも、自動で顔の輪郭や部位を判定することで、使いやすいものとなっている(もちろん、手動で同じようなことはできなくもないが、それなりの技術が必要であろう)。このあたりは、サイバーリンクの技術力が高いユーザーエクスペリエンスを提供しているといえるだろう。

モバイル版は無償で利用可能

最後に触れておきたいのが、モバイル版が無償で提供される点である。提供されるのは、以下の2つである。いずれも、PC版やMac版を購入することで利用可能になる。モバイル端末を持っているならば、有効活用したい。

  • PowerDirector Mobile
  • PhotoDirector Mobile

図20 発表会で展示されたモバイル版のデモ

以上、実際の機能の使用画面を交えながら、新機能をメインに「Director Suite 4」を改めて紹介した。前バージョンでも紹介したが、乗り換え・アップデート版はバンドル版も対象となる。具体的には、光学ドライブに同梱されたサイバーリンク製品やメーカー製PCのプリインストール版も対象となる。もし、所有しているならば検討に値するだろう。サイバーリンクでは、体験版も提供予定である。興味を持ったのであれば、ぜひ、試してみていただきたい。