「AudioDirector」は、その名の通り、音声データの調整を行うためのソフトウェアである。特に威力を発揮するのは、混入した音声ノイズの除去があげられる。瞬間的なサイレンくらいならば、簡単に除去できる。しかし、それでも限界はある。たとえば、

  • 強風など、ノイズの除去ができないほど広範囲の雑音レベル
  • カメラのマイクなどの位置関係で、音声レベルが低すぎる

といった状況である。こんなときどうするか。

解決策として、後で録音しなおす(アフレコ)といったことが考えられるが、同じようにしゃべったつもりでも、動画と合わせるとリップシンクがずれてしまう(微妙に音声と唇の動きに差が出てしまう)。これを同調するのが、AudioDirector 6の新機能「スピーチを自動で同調」である。

オリジナルの動画の音声データとアフレコした音声データの2つを選び、[スピーチを自動で同調]ボタンをクリックする。すると、ダイアログが表示される。

図14 「スピーチを自動で同調」のダイアログ

ここで、ノイズの入った音声データを指定、同調後の挙動などを指定する。ここでは、動画の音声データにノイズがあると仮定している。紙面でその様子を紹介することはできないが、比較的、簡単な操作で同調させることができる。実際のデモを聞いた際は、ほとんどリップシンクのずれは感じることはなかった。「AudioDirector 6」の他の新機能などは、図15の通りである。

図15 「AudioDirector 6」の新機能など

注目したいのは、従来のタイムコードによる進捗表示以外に、BPM(beats per minute)表示が追加されたこと。さらに、 録音時に設定したBPMに合わせてメトロノームサウンドを鳴らすメトロノーム機能など、面白い機能も追加されている。