多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『「Custom Tabs」って何ですか?』という質問に答えます。

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Google I/O 2015では、今後Android OSに追加されるさまざまな新機能が紹介されました。「(Chrome)Custom Tabs」はその1つで、アプリ内でWEBブラウザ機能を使用するとき、従来のWebViewではなくChromeを呼び出すことが可能になります。

従来、Androidアプリでハイパーリンクを使い外部のWEBページを開こうとすると、アプリ内ブラウザ機能であるWebViewに切り替えるか、別に存在するWEBブラウザアプリを起動するしかありませんでした。しかし、WebViewはアプリ内で完結する仕様のため、WEBブラウザアプリと設定を共有できません。かといってWEBブラウザアプリを使うと、アプリからタスクを切り替える操作をユーザに強いることになります。

一方、Custom TabsではWebViewの代わりに「Chrome」を利用します。アプリ内ブラウザとしてChromeの機能を利用でき、アプリ側とユーザインターフェイスを統一できるため、違和感なくスムーズなページ遷移が可能になります。

サインインなどのユーザ情報も共有できます。たとえば、ユーザがこれまでChromeでサインインしたWEBサイトは、Custom Tabsに対応したアプリではChromeとまったく同じ状態でアクセスすることが可能になります。

リンク先のデータを先読みする機能も用意されています。Googleの開発者向けサイトでは、Chrome(アプリ)とCustom Tabs、WebViewのリンク先読み込み速度比較をGIFアニメーションで公開しています。処理内容にもよりますが、先読みが効果的なページではChromeアプリよりも表示が速くなります。

Custom Tabsは、Chrome v45(またはベータ版/Dev版)からサポートされました。Google Playで最新バージョンにアップデートしたうえで、TwitterやFeedlyなどのCustom Tabs対応アプリを利用すれば、これら最新の機能を利用できます。

Chromeを最新バージョン(v45)にアップデートすると、アプリ内からChromeの機能を利用できる「Chrome Tabs」が有効になります