世代を問わず遊べる新たなデバイス『Pokémon GO Plus』

石原氏:さて、冒頭で岩田さんと取り組んでいたと話をさせていただきましたが、このプロジェクトは任天堂さんにも深く関わっていただいています。先ほど冒頭でお見せした映像の中にもヒントがあったかもしれませんが、これからそのことについてご説明させていただきます。最近、スマートフォンの画面を見続けて、周りに気付かないという人が増えています。『Pokémon GO』は世代を問わず、遊んで欲しいと願っていますので、スマートフォンの画面を見続けなくても遊べるデバイスを任天堂さんと一緒に開発しました。それがこの『Pokémon GO Plus』です。

『Pokémon GO Plus』は、光とバイブレーションによって、ゲーム内でのイベント、例えば近くにピカチュウが現れたといったことをプレイヤーに伝えることができます。仕組みはBluetoothで、iPhoneやAndroidとペアリングして通信して、真ん中のボタンを押すとモンスターボールを投げるなどの行動ができるようになっています。機能は可能な限りシンプルであることを目指しました。表示画面も音声ガイドもありません。あるのは、この通りLEDとバイブレーションだけです。バイブレーションは、ここでは皆さんにちょっと伝えづらいのですが、スマートフォンのマナーモードでの振動をイメージしてください。マイクで拾うとこんな感じです(マイクにデバイスを近づける)。この『Pokémon GO Plus』にとって一番大切に思っているのは、プレイヤーに自然に何かを気づかせることです。というのも、プレイヤーにスマートフォンの画面だけではなくて、より外の世界にも目を向けてもらいたいと思っているからです。もちろん、『Pokémon GO』自体は、この『Pokémon GO Plus』がなくても遊べますが、より便利に、何より"なりきり感"を重視して遊びたい方には必須のガジェットになっております。さて、この『Pokémon GO Plus』についてもう少し詳しく話していただける方をお呼びしています。任天堂の宮本さんです。

ゲーム人口をいかに拡大していくか

宮本氏:紹介にあずかりました、任天堂の宮本です。今日は、『スーパーマリオメーカー』の発売日なんです。それで今日は東京に宣伝に来た……わけではないです本当に。このイベントのために来ました。本来は岩田さんが出席されるはずでしたが、我々が石原さんと一緒に取り組んできたことについて、少し説明させていただこうと思います。先ほどGAME FREAKの増田さんからも話がありましたが、石原さんと一緒に最初の『ポケモン』の赤・緑をプロデュースして20年がたちました。本当に長いお付き合いになります。その当時の『スーパーマリオ』と比べたら、『ポケモン』は本当にルーキーだと思っていたんですが、今振り返ってみると『ポケモン』はルーキーとは思えないくらい成長して頼もしくなったもんですね。

石原氏:『マリオ』は30周年、『ポケモン』はやっと20年。これだけは永遠に『マリオ』には追いつけないと思います。

宮本氏:ずっとね。アニキですから。最初の上映されたビデオを初めて見た時に、岩田さんと一緒に作った『ポケモンスナップ』を思い出しました。『ポケモンスナップ』は写真を撮るだけ、しかもバーチャルな空間でしたが、今度は実際のいろんな場所に行って、本当にポケモンを捕まえます。その遊びの感覚がよく似てるなと思って、記憶がよみがえってきました。

石原氏:僕も、確かに同じ空間でポケモンと向き合う感じっていうのはよく似ているなと感じました。