最後に登壇したのが、パナソニック アプライアンス社常務であり、テクニクス事業推進室長を務める小川理子氏だ。

Technics復活から1年、新たなミッションとは

昨年のIFA 2014で発表したTechnicsの復活から1年の経過について説明。「欧州、日本、北米など、多くの地域で展開することができた。また、多くのオーディオ評論家、オーディオ雑誌で高い評価を得た」と切り出し、「そのTechnicsは、今年、50周年という特別な年を迎える。過去50年間は "序曲"であり、次の50年間で、Techinicsはさらに進化を遂げることになる。そして、すべての音楽愛好家の生活を変えることになる」と述べた。

パナソニック アプライアンス社常務の小川理子氏

パナソニックは、昨年のIFAでリファレンスクラスのR1シリーズ、プレミアムクラスのC700シリーズを発表したが、今年のIFA 2015では、その間のグランドクラスとして「G30シリーズ」を投入。「グランドクラスの製品は、優れた音質と快適なリスニングを提供し、妥協のない音の経験してもらえる」と位置付けた。

グランドクラスのTechnics製品は、ネットワークオーディオアンプの「SU-G30」と、ミュージックサーバーの「ST-G30」で構成。スマートフォンやタブレット向けのアプリを通じた操作が可能だ。信号分配におけるジッタとノイズを最小限にするための改良を加えたほか、ネットワークを介して、SU-G30にST-G30から音楽データを転送できる。

グランドクラスのC500シリーズやOTTAVAなどを相次ぎ発表した

さらに、プレミアムクラスの新製品として、オールインワン型の「C500」を発表。「OTTAVA (オッターヴァ)」という名称をつけて発売する。OTTAVAは、オクターブのイタリア語で、ジャズピアニストとしても活躍する小川氏自らも、「ジャズピアノを弾くときに使う言葉。ミュージシャンがソロ演奏するとき、1オクターブ変えて弾く。C500はソロで完結する製品。リビングルームに本格的なリスニング体験をもたらすように設計され、1オクターブ変えた位置の製品として、音楽を楽しむことができる」とした。さらに、C500シリーズには、新たなスピーカーシステムを採用し、音の広がりにも特徴を持っているという。また、Technicsブランドのヘッドホン「T700」の投入も発表した。

そして、最後に小川氏が発表したのが、ダイレクトドライブ方式のアナログターンテーブルの製品化計画だ。Technicsの代表的製品であるダイレクトドライブターンテーブルを、新たなモーター制御技術などを活用して再定義したもので、2016年の製品化を予定。「多くの放送局で採用された伝説のSP10を超え、多くのDJに愛されたSL1200も超える製品になる」と位置づけた。

ダイレクトドライブ方式のアナログターンテーブルの試作品を披露

ちなみに、今年夏に公開された映画「ミッションインポッシブル」の新作で、トム・クルーズが指示を受ける際に、レコードを再生するが、ここにTechnicsのターンテーブルが使用されたという。小川氏はこのエピソードを披露しながら、「Technicsの新たなターンテーブルの開発は、我々にとっても、ミッションインポッシブルになる」と語った。

SU-G30

ST-G30

OTTAVA