アプライアンスの売上を2倍に

続いて、パナソニック アプライアンス社・本間哲朗社長が登壇し、「パナソニックは、昨年のIFA 2014において、プレミアムライフスタイルの提案を宣言したが、今年はそれを発展させ、新しい家電事業ビジョンとして『Aspire to more』を掲げる」と切り出した。

パナソニック アプライアンス社・本間哲朗社長

新しい家電事業ビジョン『Aspire to more』

そして、「パナソニックは、2018年度には、欧州のコンシューマ製品で177億ユーロの販売目標を掲げているが、さらにアプライアンスの売上高を2018年までに2倍以上にする。コンシューマ製品を次の柱にする」と語った。

また、パナソニックは、「イノベーション」「デザイン」「空間提案」という3つの切り口から「憧れのくらし」を実現する企業であると語り、イノベーションに関しては、洗濯機におけるセンサー技術、ドライヤーにおけるナノイー技術を紹介。

パナソニックは、「イノベーション」、「デザイン」、「空間提案」という3つの切り口から「憧れのくらし」を実現する

デザインについては、「日本の伝統建築や庭園などの調和美をDNAに持つパナソニックデザインは、ビルトインキッチンに活かされている。欧州の住空間の様々な個性を活かしながら、心地よい調和を生み出すことができる」などとした。また、「空間提案」では、女性のためのプライベートルームを提案。快適な眠りをサポートし、起きて鏡の前に座るだけで、肌の状態をチェックして、美容商品の最適な使い方をアドバイスする事例を示した。

本間社長は、「AV、白物家電、空調、照明など、100を超える商品カテゴリーと技術を持つパナソニックだからこそ、他社にはない空間提案が可能になる」と強調した。具体的な製品としては、Induction HOBを紹介。この製品に対して、シェフやディーラーから高い評価を得ていることを示した。また、和食に適した保鮮技術を搭載し、野菜の鮮度やビタミンを維持できる冷蔵庫を欧州市場でも投入。理美容分野では、アンチエイジングやクレンジング商品が成長しており、より注力していくことにも言及した。

パナソニック初の4K有機ELテレビも

さらに、パナソニックの4Kの取り組みについても説明した。

ここでは、LUMIX GX8やFZ300といった新製品にも搭載した4K Photo機能のほか、Firefox OSを搭載した4KテレビのフラッグシップであるCX800、曲面テレビのCR850をそれぞれ新たに発表。パナソニックハリウッド研究所を通じて、ハリウッド関係者との連携によって完成させた製品であるとした。また、映画製作のための4Kバリカムカメラやモニタも投入し、ハリウッドが求める画像を実現していることを示した。

65型の4K有機ELテレビを披露

そして、本間社長が最後に発表したのが、同社初の4K有機ELテレビである「CZ950」であった。「パナソニックは、プラズマテレビによって深い黒を表現したが、有機ELテレビではそれを超える深い黒を実現した。有機ELテレビは、プラズマテレビと同じく自発光であり、パナソニック独自のプラズマ技術とノウハウで信号処理を行った。他の有機ELテレビにはない画質を実現している。アルミスタンドを採用し、インテリアにあわせたデザインを実現し、ハイエンドの家具の一部になる製品だ」と述べた。

CZ950は、THXの認定を受けているほか、HDR映像もサポートするという。2015年10月から、欧州全域で発売する予定だ。

曲面型となっている