多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『「Android One」は日本で販売されないの?』という質問に答えます。

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Googleが2014年にスタートした「Android One」は、スマートフォンメーカーの協力のもと展開される一種のOEMブランドです。おもに開発途上国をターゲットとし、比較的入手しやすい価格帯で展開されます。

現在日本でみかけるAndroid端末との最大の違いは、どのメーカーの製品もスペックがほぼ共通なことです。ハードウェアの設計から各種部品の調達までをGoogleが担当し、パートナーとなったスマートフォンメーカーが製造を行います。システムはAndroid OSの標準形(AOSP)が採用され、Googleにより最長2年間のアップデートが保証されます。

端末としての個性には乏しくなるものの、安価なうえに最長2年間のシステムアップデートが保証されるAndroid Oneは、高級機指向といわれる日本のユーザにとっても魅力的に映るかもしれません。2014年の発売直後に購入したとしても、Android 5.0(Lollipop)へのアップデートが確約されているわけですから、最新システムを求めるユーザにとっては好都合です。

2015年8月現在、Android Oneが日本で展開されるとの発表はありません。Android One端末は、インドやバングラデシュ、インドネシアなどの国々ですでに提供されていますが、消費者が望む価格より高いようで、当初期待していたほどのセールスを達成できていないと報道されています。さらなる低価格化が難しいとなれば、展開する市場を見直す可能性も考えられます。

日本で展開される可能性については、なんともいえません。Android Oneが日本で展開されれば、Android端末市場で一定のシェアを確保する可能性は高く、日本のスマートフォンメーカーが手がけるミドルクラス・ローエンドクラスの端末にしわ寄せがくることは確実です。Googleが既存メーカーとの関係をどう考えるかにAndroid Oneの日本展開がかかっている、と言ってよさそうです。

安価な「Android One」は、最新システムへのアップデートが最長2年保証される点を評価するユーザも存在します(画像はLava Pixel V1)