ソフトバンクグループは6日、都内で2016年3月期第1四半期決算説明会を開催した。折しも、スプリントの業績がアメリカ市場で4位に転落したという報道があったばかり。決算説明会に登壇した孫正義代表は、スプリントの業績改善に関するプレゼンに力を入れ、現況の報告と今後の見通しを示した。
トンネルの向こうに光が見えた
スプリントの業績を必ず改善してみせる――。同社の決算説明会は、こんな孫正義代表の快気炎で幕を開けた。これは前々日、ソフトバンクグループ傘下の米スプリントが、アメリカ市場の契約件数で"業界4位に転落した"と報じられたことに端を発するものだ。スプリントが約10年間維持してきた業界3位の座についたのは、TモバイルUS。皮肉にも、孫氏が数年前に買収を画策していた通信事業者だ。
ソフトバンクを率いる孫氏は2006年にボーダフォン・ジャパンを買収、その業績をV字回復させている。このノウハウをスプリントにも応用したい考え。「どうやったら業績を改善していけるか、スプリント側と連日ミーティングを繰り返した。それには次世代のネットワークを、最小限の設備投資で、最強にすることが求められる。話し合いの結果、ついに設計図が完成した。日本における成功を、アメリカでも再現できると確信した」と孫氏は強調した。
孫氏はプレゼンの最後に「結論として、改善への道筋が見えた。長くて暗いトンネルだったが、トンネルの向こうに光が見えた。いまではスプリントを買って良かった、と心から思っている」と話した。