ソフトバンクは30日と31日の2日間、都内で法人向けイベント「SoftBank World 2015」を開催した。31日のイベントに登壇した同社CEOの宮内謙氏は「既成概念を破壊するときにイノベーションが生まれる」というテーマで基調講演を実施、「来年夏にはソフトバンクショップの店員がPepperになるだろう」など、自社サービスをアピールした。本稿で紹介していく。
安全なビジネスモデルはない
宮内氏はその基調講演を、こんなエピソードで開始した。「Googleで自動運転車の開発をしている研究者のセバスチャン・スラン氏が、あるインタビュー記事で語っていたんです。新しいテクノロジーの強烈な破壊力の前には、安全なビジネスモデルはないと。私はIT業界に30年携わっていますが、過去を振り返りながら、つくづくそうだなぁと同感しました」と。
続けて同氏は、「新しいテクノロジーがポンと出てくると、それまで競合とは思っていなかった人たちが目の前に現れて、顧客を奪い去ってしまう。過去にも、そんな事例がたくさんあった」と宮内氏。古いビジネスモデルが次々と塗り替えられていくそんな時代だからこそ、現代の経営者は「新しいテクノロジーが世の中をどう変えていくか、常にアンテナを張って情報を集め、自ら考え続けることが重要」であると説いた。
しかし、企業には多くの既成概念が存在する。「この既成概念を破壊するときにイノベーションが生まれ、会社がさらに成長する」というのが、宮内氏の主張。そこで同氏はソフトバンクが提供するサービスと絡めつつ、実際のビジネスシーンで既成概念をどう破壊していくべきか紹介していった。