ソフトバンクは19日、都内で第35回定時株主総会を開催した。質疑応答では今年も多数の奇抜な質問が登場した。本稿では孫正義代表と株主のやりとりを紹介していく。

株主総会に登壇する、ソフトバンクモバイル代表取締役会長の孫正義氏。会場の様子はモニターを通じて、プレスルームの記者団に公開された

シャープとソニーを救って!

ある株主は、日本の家電メーカーの現状を憂えて以下のように発言した。「ソフトバンクグループで、シャープ、ソニーを買収して、日本の家電メーカーとして復活させてほしい。国内では新興の家電メーカーも出てきた。そうした企業も買収して、日本の家電製品を世界に届けてほしい」。

これに対し、孫代表は「上場企業さんですし、私が何か一言でもしゃべると明日の記事にドーンと出そうなので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います」と笑顔で回答した。

役員報酬を10億円に!

「ソフトバンクが今後、世界的な人材を獲得し、更に大きく成長していくためにも、役員報酬の制限を撤廃して1人に10億円くらいあげたら良いのではないか。日本人でも、頑張れば10億円も報酬がもらえるんだ、という希望にもなる。役員の報酬額が日本一になれば、話題にもなる。ひいては将来、社内から第2のニケシュさんも輩出できるのではないか」と株主。

これに対し、孫代表は「ニケシュは、数十億円という年俸をGoogleで得ていた人物。そんな人がソフトバンクに来てくれた。今後、世界のソフトバンクになるためには、優れた経営陣が続々と集まる経営環境にしていかないといけない」と話し、「私の想いを後押ししてくれたようで、ありがとうございます」と回答。隣席の宮内謙氏(ソフトバンクモバイル代表取締役社長兼 CEO)に、小声で「宮ちゃん良かったね」と笑いながら話しかけていた。

今年の株主総会は終始、和やかな雰囲気で進んだ。居並ぶ取締役にも、時おり笑顔が見られた