優れた逆光耐性とソフトによる魚眼補正に注目

M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROのサイズは最大径62mm×全長80mmで、重量は315g。同じくマイクロフォーサーズ用の魚眼レンズ、パナソニック「LUMIX G FISHEYE 8mm / F3.5」に比べると全長が長く重量も上回るが、持ち運びを負担に感じるほどではない。魚眼レンズとしては小型軽量といっていい。

OM-D E-M5 Mark IIに装着した状態

外観デザインは剛性を感じるしっかりした作りで、防塵・防滴および耐低温にも対応する。レンズフードは固定式。かぶせ式のレンズキャップが付属する。

AFはスピーディに作動する。フォーカスリングには適度なトルクがあり、マニュアルフォーカスの操作も快適だ。残念なのは、MFクラッチ機構が非搭載であること。「M.ZUIKO PRO」シリーズのほかの3製品では、MFクラッチ機構によってオートフォーカスからマニュアルフォーカスへとワンタッチで移行できるが、本レンズは非搭載のため、ボディ側で切り替える必要がある。

マニュアル露出(F7.1 1/1000秒) ISO200 WB:太陽光 カメラ:OM-D E-M5 Mark II

マニュアル露出(F8 1/1000秒) ISO200 WB:太陽光 カメラ:OM-D E-M5 Mark II

写りは、絞り開放値からくっきりとした像を結ぶ。画像中央部に比べると周辺部はわずかに甘さが残るが、十分実用的といえる。絞り込むと全域でシャープな描写となる。

ありがたいのは、レンズ表面に「ZEROコーティング」と呼ばれる独自の処理が施されたことで、ゴーストやフレアの発生が最小限に抑えられていること。魚眼レンズを日中の屋外で使うと画面内に太陽が写り込むケースは非常に多いが、本レンズなら安心して使える。今回の試用では、ゴーストやフレアが気になるケースはほとんどなく、逆光条件でもコントラストの高い描写が得られた。

マニュアル露出(F11 1/250秒) ISO200 WB:太陽光 カメラ:OM-D E-M5 Mark II

マニュアル露出(F4 1/10秒) ISO200 WB:太陽光 カメラ:OM-D E-M5 Mark II

そもそも魚眼レンズは写り方が特殊であるため、日常的に使うというよりは、ここぞとばかりに用いる「飛び道具」的なレンズだと考えられる。インパクトのある表現ができる反面、同じような写真ばかりになりがちで、飽きやすいともいえる。だが本レンズの場合は、魚眼ながら開放値が明るいという独自の価値を備えている。これまでの魚眼レンズ以上に撮影領域が広いことは確かだ。

さらに付加価値として、同社が無償公開している画像編集ソフト「OLYMPUS Viewer」のFisheye補正機能にも注目したい。この機能では、本レンズで撮影した写真から魚眼特有のゆがみを除去し、超広角レンズで撮影したように自動補正できる。もちろん後処理なので画質はそれなりに低下するが、用途によっては役立つことがあるだろう。魚眼と超広角を使い分けられる、お得な機能である。

絞り優先AE(F8 1/800秒) ISO200 WB:太陽光 カメラ:OM-D E-M5 Mark II

上の写真に「OLYMPUS Viewer 3」のFisheye補正を適用

今回の試用では、「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」ならではの描写を十分に楽しむことができた。魚眼レンズとしてはやや値が張るが、高品位な外観デザインとシャープな写りに対する満足感は高い。そして何より、F1.8という画期的な明るさによって、ほかの魚眼レンズとは違った表現を味わえる点が大きな魅力である。

前ページの写真に「OLYMPUS Viewer 3」のFisheye補正を適用