Appleのモバイルペイメントシステム「Apple Pay」は、iOS 9でも引き続き拡張されることになった。Apple Payのクレジットカードが格納されてきた「Passbook」アプリも「Wallet」と名前を変え、店舗側の利便性を高めつつある。今回は、米国でのApple Payの活用と、iOS 9での拡張、普及に向けた取り組みをについて、触れていきたい。
Apple Payを改めて
Apple Payは、2014年9月のiPhone 6・iPhone 6 Plusリリースから利用できるようになったモバイル決済サービス。NFCを内蔵した前述の最新2機種、Apple Watchでの店頭決済と、Touch IDを搭載したiPad Air 2・iPad mini 3を加えた4機種でオンライン決済ができる。
登録は簡単で、対応しているクレジットカードをiPhone・iPadのカメラで撮影し、発行銀行からトークンを取得すればよい。1枚のカードを複数のデバイスで利用したり、複数のカードを1つのデバイスに登録することもできる。そして、決済を行う際に、Touch IDの指紋認証を行う仕組みだ。Apple Payに対応したカード決済端末にiPhoneをかざしたり、アプリの決済画面が表示された際に、自動的に指紋認証画面が表示され、決済を行うことができる。
Apple Watchで利用する場合は、ロック解除されている状態で、デジタルクラウンの下にあるボタンを2度押しして決済端末にかざせば良い。この場合、iPhoneの有無にかかわらず決済を行うことが可能。
サービス登場当初は、米国で発行されたクレジットカードでのみ初期設定を行うことができたが、WWDC15で7月から英国でも利用できるようになると発表された。ただ、日本で発行されたクレジットカードでは今現在も、Apple Payを登録することはできない。またサービスが利用できる米国・英国も、まだすべてのカード発行銀行がApple Payをサポートしているわけではない。
筆者の手元のカードでは、Costcoで発行されたAmerican ExpressカードはApple Payに登録できたが、JAL USA CARDブランドのMasterCardは登録できなかった。カード発行銀行は「First National Bank of Omaha」で、Apple Pay対応銀行のリストに名前はあるものの、同銀行が発行している別ブランドのカードであるため、利用できないようだ。