NXPのCEOも参加したCEO Roundtable
さてこの基調講演後にCEO Roundtableが行われたが、そこにはGregg Lowe氏に加えてNXPのCEOであるRichard L. Clemmer氏も同席した(Photo11)。
まず合併によるシナジーとして、「Freescaleの持つMCUのポートフォリオに、NXPのSecurityのポートフォリオを組み合わせることで完璧なIoT向けのポートフォリオが完成する」(Clemmer氏)とした上で、ネットワークのインフラ向け製品やRFに加え、自動車向けの最大のサプライヤーになる事を強調、特にADASなどの運転安全性に向けた取り組みは相互のポートフォリオが補完し合えるとし、現在は顧客がシームレスに移行できるように作業を急いでいるとした。また合併について、「両社は共に有力な半導体製造会社であり、また同じような経緯をたどってきており(親会社からスピンアウト、一度IPOをするもののファンドにMBOされ、Private Companyの時期を経て再びIPO)文化的に近い」とした。
また重複する部門については、「すでにNXPはRFの部門を売却しており、FreescaleのRF部門はそのまま残ることになる。また自動車分野は重複がほとんど無いので、現在はどういう形で統合するのがよいかを検討している最中。MCUについては、Geoff Lees(SVP & General Manager, Microcontroller。元はNXPで同じ職にあった)がSecurityとConnectivityを核にConnected Deviceの実現に向けて(統合を進めて)いる。Network Processorに関しては、Power Architectureは大きな市場をすでに獲得しており、合併後の会社でもこれは大きな売り上げになると期待している」(Clemmer氏)とした。
ただし明確にされたのはこのあたりで、例えば今後の製造に関しては「例えばMCUは90nmを経て28nmに向かっているし、我々もそうしたトレンドは理解しており、適切な時期に適切なプロセスを使うことになる。ご存知の通り90nm以上は内部の、65nm以下は外部のFabを使っているが、今後どうして行くかは現時点ではまだ発表できない」(Lowe氏)といった感じで、明確にはされなかった。また統合に伴うリストラに関しては「合併によって、例えばR&DコストとかEDAツールのライセンスなどのコストが削減できることになる」(Clemmer氏)とし、リストラそのものについては明言されなかった。
深読みすれば、例えばR&Dコストの削減というのはかなりの部分それに携わる人間の削減に繋がるし、間接部門のコスト削減についてもしばしば人員の削減が必然的に発生する。ただ、現時点ではこれをどの程度の規模で行うかまで、まだ煮詰めは終わっていないと思われる。このあたりは、実際に合併が行われるまで外部からはうかがい知る事はできなそうだ。