NECパーソナルコンピュータでは、最初にLAVIEが登場した20年前と、現在のPCの使い方がなにも変わっていないことに危機感を持っている。

確かに、PCを利用する際には、机に向かって、電源を入れて、キーボードから入力するという作業に大きな変化はない。しかし、この変化のなさに、国内トップシェアのPCメーカーとしての責任を感じてもいる。

NECパーソナルコンピュータが打ち出したDigital Dramatic Daysは、新たなPCの使い方を提案するものであり、いまの時代に合致した「生活の中に浸透するPC」を目指したものになる。

たとえば、LAVIE Hybrid Fristaでは、今年5月に発表した新製品で、インフォボードというソフトウェアを搭載した。これは、PCをリビングに設置して、24時間365日、PCの電源を入れたまま利用するということを前提にしたものだ。ここには、天気予報やニュース、カレンダーなどが表示され、生活のなかに溶け込んだPCの利用を提案している。

LAVIE Hybrid Frista。この画面に映っているのが、2015年夏モデル搭載の新ソフトウェア「インフォボード」だ

こうした新たなデジタルライフの提案に向けて、その意味を体現するLaVieへとブランドを統一したしたというわけだ。これは、一歩先んじて今年2月に正式発表されている(参考記事:NECが新生LaVie発表 - PCブランドを「LaVie」に統一)。

プロシェクトチームのもうひとつの役割が、ロゴデザインの変更であった。

実は、これまでに、LaVieのロゴは2回変更されている。1995年に、第1号機として登場したPC-98 NOTE Lavieは、「v」が小さいものであった。それが、第2世代となる1997年からは、書体はそのままにフランス語の表記にあわせて「V」の文字を大きくした。

だが、このとき従来のPC-9800シリーズの流れをくむPC-9821は「v」を小さいままで表記。現在のLaVieへとつながるNXシリーズは大文字で表記していたという。

2度目の変更となる第3世代は、2004年から今年(2015年)春モデルまで採用していたもので、初代および第2世代から書体を変更した。そして、今回のロゴデザインの変更は3回目。第4世代のものとなる。

左側が2015年春モデルの「LaVie Hybrid Frista」、右側が2015年夏モデルの「LAVIE Hybrid Frista」となる

新ロゴは、「NECのPCは、シニア層まで幅広く利用されているのが特徴。一方で、若年層も積極的に取り込んでいきたいと考えている。万人に受け入れられやすいロゴデザインであること、とくに、若年層にも受け入れられることを意識した」という。

当初は、約30種類のデザインがあがってきたが、さらに約70種類を追加して、最終的には、約100種類ものデザインが候補にあがったという。これらの候補をもとに、2014年10月に会議を開き、留目氏を中心にした約20人の参加者により、最終的にロゴを決定したという。

最終的に残ったのは、2つの候補だった。

ひとつは、最終決定されることになったダブルトライアングルと呼ぶロゴマークとともに、大文字でLAVIEと書かれたロゴ。もうひとつは従来のロゴを踏襲したともいえるLaVieという大文字と小文字の組み合わせによるもの。こちらはロゴマークもなかったという。

午後6時から始まった会議は約2時間30分にもおよんだ。当時は、現在同社が所在する東京・秋葉原への移転前であり、東京・大崎の大崎ゲートシティが本社だったときだ。ビル空調設備の関係で、大崎ゲートシティ オフィスフロアの空調は夜には止まることになるが、空調が止まっても議論が続けられた。