QNAP社のTurbo NASシリーズは、独自のNAS用OS「QTS」を搭載していることが特徴であり、高機能かつ良好な使い勝手が魅力だ。2ベイNASキット「TS-212P」のレビューの前編では、HDDの組み込みやセットアップの手順、NASとしての基本的な使い方を解説した。今回の後編では、iOSやAndroidからのアクセス方法、パーソナルクラウドストレージとして使う方法、アプリケーションの追加方法といった、Turbo NASシリーズならではの付加機能について紹介していきたい。
スマートフォンやタブレットからTS-212Pにアクセスする
NASに保存したファイルを、スマートフォンやタブレットなどから確認したり、外出先でダウンロードできればいろいろと便利だ。QTS 4.1を搭載した「TS-212P」なら、スマートフォンやタブレットからアクセスするための専用アプリ「Qfile」が用意されているので、簡単に実現できる。QfileにはiOS版とAndroid版があり、iOS版はApp Storeから、Android版はPlayストアから、それぞれ無料でダウンロード可能だ。
QFileは、Turbo NASをファイルサーバとして利用する「File Station」(Webファイルマネージャ機能)のクライアントなので、まずFile Stationを有効にする必要がある。TS-212Pの場合、デフォルトでFile Stationが有効になっているようだが、念のため確認しておこう。管理者用IDでTS-212Pにログインし、コントロールパネルのアプリケーションを開き、ステーションマネージャを選択する。次に、「File Station」タブを選択して、「Flie Stationを有効にする」にチェックが付いているか確認する(付いていない場合は付ける)。
コントロールパネルのアプリケーションを開き、ステーションマネージャを選択 |
「File Station」タブを選択して、「Flie Stationを有効にする」にチェックが付いているか確認(付いていない場合は付ける) |
File Stationが有効になっていることを確認したら、スマートフォンやタブレットでQfileをダウンロードし、実行する。初回起動時は、TS-212Pに接続するためのユーザー名とパスワードを設定するが、2回目以降はNASのアイコンをタップするだけで接続し、TS-212Pで公開されているフォルダを一覧表示する。
この時点では、実際にファイルがスマートフォンにダウンロードされているわけではなく、あくまでファイル名やサムネイルのみが取得されているので、スマートフォンのストレージ容量を圧迫することはない。ファイルをタップすることで、その中身を確認できる。JPGファイルなら拡大表示され、WordファイルやExcelファイルも中身を見られる。
ファイルを選択した状態で右上のアイコンをタップすると、ダウンロードなどのメニューが表示され、ダウンロードやダウンロードリンクの共有などが可能だ。下に、iOS版とAndroid版のQfile画面を掲載するが、機能や操作方法はほぼ同一である。Qfileは設定も簡単で使いやすく、どこからでも自宅のTS-212Pにアクセスし、データをスマートフォンやタブレットで気軽に確認できるのは便利だ。
iOSからのアクセス
(1) iOS用のQfileのトップ画面。まず下の「NASの追加」をタップ |
(2) TS-212Pに登録したユーザー名とパスワードを設定 |
(3) NAS(TS-212P)のアイコンをタップすると、NASへのアクセスが行われる |
(4) TS-212Pの公開フォルダ一覧が表示される |
(5) testフォルダの中身を開いたところ。JPGファイルはアイコンがサムネイル画像となる |
(6) JPGファイルをタップすると、拡大表示される。右上のアイコンをタップするとダウンロードなどのメニューが表示される |
(7) 画像ファイルは、カメラロールに保存したり、ダウンロードフォルダにダウンロードしたりできる |
(8) さきほどのチューリップ画像をスマホにダウンロードしたところ |
(9) Wordファイルの内容も確認できる |