最新モデルの性能は?

iPhoneはモデルチェンジの度にCPUを変更して性能アップに努めてきた。現在のiPhone 6にはアップル純正の「Apple A8」というCPU(SoC)が搭載されており、順当にいけば次期iPhoneのCPUは「Apple A9」になる。A9は3Dトランジスタ技術の「FinFET」プロセス技術を採用することになるという。製造プロセスは14nm~16nm(A8では20nm)と、さらに微細化が進み、チップ全体の消費電力の低減につながるだろう。

A8プロセッサは2コア-1.4GHzと、Android陣営と比べると見劣りする。ところが、昨年のフラッグシップに搭載されていたSnapdragon 805(4コア-2.7GHz)を搭載したNexus 6とA8を搭載したiPhone 6を比べると、画面解像度の違いなどはあるにせよ、CPU、GPUどちらのベンチでもコア数・クロック数・メモリ搭載量が半分のiPhoneと同等か、場合によってはiPhoneが上回る結果が出ている。iPhoneはハードウェアもOSもアップル製だけに、Androidと比べると、最適化が非常に有効に働いているようだ。

従って、A9も無理にコア数を増やすことなく、2~4コア程度で済ませてくる可能性が高い。それでも現行以上の性能が発揮されれば、実用上は十分。スペックだけを見てA9を侮らないほうがよさそうだ。

iPhoneのGPUコアは代々PowerVRベースとなっており、A8ではPowerVR Series 6XTのうち、6コアのPowerVR GX6650を搭載している。おそらく次期iPhoneでは最新のSeries 7XTから6コアのGT7600を搭載するのではないだろうか。Series 7はSeries 6の60%程度性能が向上していると言われており、iPhone上でも同程度の性能向上を期待できる。

メモリはiPhone 6で1GBと、Androidのハイエンド端末と比べると少なめだ。iPhoneは代々メモリ搭載量が控えめなので、増量されるかは微妙だが、もしコア数が2コアのままであれば製造プロセスの微細化とFinFETの採用でフットプリントが小さくなった分をメモリに回せるため、2GBへの拡張もありうるだろう。