気温2度! 寒風吹きすさぶテイクオフ!

ヴァンター空港のイミグレーションは、バイオメトリックパスポート(厚くて固いページを挟んだICパスポート)に対応した自動入国審査機を導入している。これは便利と感心していたら、その先には相変わらず行き先と滞在日数を仏頂面で聞いてくる横柄な入国審査官が座っていた。もちろん、パスポートもチェックされる。なんだ、それならさっきの自動入国審査機なんて、我々旅行者の手間がただ増えただけではないか、と強く感じる。

これが自動入国審査機の日本人専用レーンだ! その奥は有人カウンター。結局どちらにも並ぶので、逆に効率が悪いような……

そもそも、トランジットの我々にどうしてここでイミグレーションが必要なのかと、このときは不思議に思っていた。もっとも、これは後にその意味を理解することとなるのだが……。それについては、また後の回で。

次の目的地であるフランクフルトの時刻をワールドタイムに設定

次の目的地、ドイツ・フランクフルト国際空港までの便は、フィンランドの航空会社フィン・エアー。出発までまだわずかに時間があるので、EQB-510のワールドタイムをフランクフルト時刻に合わせておく。さすがに(日本に比べれば)距離が近いので、時差は1時間だ。

【動画】EDIFICE EQB-510 フランクフルト時刻合わせ in ヘルシンキ・ヴァンター国際空港
※音声が出ますが、字幕入りなので音声を消した状態でもご覧頂けます。

そして今回から、GPSハイブリッド電波ソーラー、OCEANUS「OCW-G1000」でも時刻合わせを行って。ただし、せっかくのGPS搭載ウオッチではあるが、今回はEQB-510同様、ワールドタイムの設定操作のみ。GPS受信のテストはドイツにて行う予定。

【動画】OCEANUS OCW-G1000 フランクフルト時刻合わせ in ヘルシンキ・ヴァンター国際空港
※音声が出ますが、字幕入りなので音声を消した状態でもご覧頂けます。

タラップ乗車の飛行機がイイ!

そして、いよいよ出発時刻。我々を含む乗客の列は搭乗口を抜け、バスへと乗り込んだ。このバスで駐機している航空機まで移動して、昔懐かしいタラップで搭乗するのだ。それはいいのだが……。タラップ上で並んで待つ10分ほどが辛い! なにせ3月のヘルシンキ、外気温はわずか2度ですよ、2度!

搭乗を待つ間、目の前の滑走路では次々と機体が離着陸していく。これが結構な迫力で、日本の空港ではあまり味わえない体験だ。飛行機好きにはたまらない。

【左】出発カウンターの待合ロビーも広々。ウッド基調のデザインも、いかにも北欧らしい。【右】飛行機まではバスで移動

【左】気温2度、吹きすさぶ風の中を飛行機へと向かう。【右】非常に開放的な駐機エリア

【左】間近で見るレシプロ旅客機の離陸シーン。大迫力! 【右】フィン・エアー機のボディにmarimekkoの代表的なデザイン柄を発見!

【左】科学特捜隊の基地を思わせるデザインの管制塔。【右】フランクフルト行きの便はほぼ満席

そして16時55分、我々を乗せたフィン・エアー機もまた、定刻通りヴァンター国際空港を離陸した。さらば思い出のヘルシンキ。

H氏「時計を合わせた以外、結局これといったことはしなかったですけどね」

その言葉は離陸時の騒音にかき消され、滑走路の上で風になって消えた。飛行機の窓からはフィンランド湾が見えた。その遙か彼方はエストニアだ。行ってみたいなバルト三国。

H氏「ね、青木さんってば」

フガー(寝たふり)。

【左】眼下に広がる針葉樹林。彼方のフィンランド湾はバルト海へと繋がっている。【右】縮緬の洋上に、夕日が雲の影を落としていた