アビー 代表取締役 社長の坂口信貴氏

既報の通り、アビーはこのほど、ハイレゾ音源に対応したオーディオPC「ADIVA K1/ADIVA K10」を発表し、同社オンラインショッピングサイト「abeeSTORE」にて発売を開始する。これに合わせて都内で記者説明会を開催し、製品の特徴を説明した。

そもそもアビーはPCケースの製造と販売で広く知られたメーカーだ。そのアビーが何故、ハイレゾ対応PCを開発することになったのか。製品の説明を行ったアビー 代表取締役 社長の坂口信貴氏によると、きっかけは知人からハイレゾについて紹介されたことから始まるという。

実際にハイレゾ音源を聞いて、その音のよさに魅力を感じた一方で、オーディオの世界は奥が深く、どのような製品を組み合わせればよいのかわかりにくさもあったという。そこにあれこれ悩まずに購入してすぐにハイレゾ音源が楽しめる本格オーディオPCの市場性があると判断した。

オーディオ部分(DAC/スピーカー)に関してはオンキヨーの協力を得て作られており、日本オーディオ協会のハイレゾ定義に準拠した「ハイレゾロゴ」の付与されたPCは日本初だ。

ADIVAシリーズはまずDACを内蔵したADIVA K1とONKYO DAC-1000と組み合わせたADIVA K10をリリースする。静音性を重視したファンレス構成(CPU・電源ファンレス+SSDで、回転パーツはブルーレイディスクドライブのみ)となっているだけでなく、要所に制振ラバーワッシャやラバーシート、大型のアルミ削り出しインシュレーターを使用して騒音抑止を行っている。トップパネルには旭化成の「パルシャットMU」を張り付けて、電磁ノイズ放射低減を考慮している。

ADIVA K10。こちらはBayTrail世代のIntel Celeron J1900を搭載する。このモデルはONKYO DAC-1000とのセットとなる。筐体の色が微妙に違うのはそもそもPCとDACで製造が違うため。量産ではもう少し近づける予定とのこと

ADIVA K1。こちらはDACを本体に内蔵したローコストモデル。ただDACを入れただけではなく、プロセッサはkabini世代のAMD E1-2100を搭載するなど、内部の仕様も異なる。それぞれのモデルでオンキヨー製スピーカーとのセットも用意されている

日本オーディオ協会のハイレゾ規格に準拠しており「Hi-Res AUDIO」ロゴが付いたパソコンは日本初

ADIVA K10のカバーをはずしたところ。トップパネルに黒いシートが付いているが、これはノイズ防止のため(パルシャットMU)

フロントパネルの裏側のアップ。パネル同士がぶつかるところにはシートが、ブルーレイドライブを止めるネジにも制振ラバーワッシャが付いている

左サイド部。SSDの上にスペースがあるので増設可能?と思ったがネジ穴がなく、電源コネクタもSATAコネクタも空きがない。ストレージは標準で256GB SSD。BTOで1TBまで選択できる

再生ソフトは定評あるFoobar2000をアビーが独自にカスタマイズしたものを使用している。さらに操作性を向上させるためにスマホやタブレット端末から再生管理を行う「aLink」というWebベースのアプリケーションを使うことでコントロールが容易に行えるようになっている。

aLinkはいわゆるWebアプリで、タブレットやスマートフォンなどに搭載されたブラウザからも利用できる。システムの起動は遠隔ではできないが、シャットダウンは可能

対応コーデックも幅広く対応している。加えて「非ハイレゾ音源」をハイレゾ相当にアップサンプリング保存する「DiMO」機能があることが特色だ。

このほか、アビーでは、2015年6月に「ADIVA K1/ADIVA K10」の上位モデルとなる「ADIVA P10」の発売も予定しているという。