新MacBookを実際に使い始めてまず戸惑うのが、キーボードやインターフェイス周り。キーボードは、従来のシザー構造から新設計のバタフライ構造に変更され、キーが大きくなって安定感が増した代わりにキーストロークが浅くなった。しかし、ストロークが浅いとは言ってもしっかりとしたクリック感はあり、キーの中央を押しても端を押してもちゃんと入力が認識されるため、数分も使っていると最初の違和感は薄れて慣れてしまう。従来のキーボードだとキーを押したつもりなのに入力されていないことがあったが、本機のキーボードはそれがほとんどなく、軽い力でタイピングしてもスムーズに入力できるので、個人的には非常に打ちやすいと感じた。

もっとも、キーボードの使いやすさは個人によって感じ方に大きな差があるところ。爪が長い人や、強い力で機関銃のようにダダダダンとキーを叩くクセがついている人は、もしかしたら本機のキーボードはタイピングしづらく感じるかもしれないと思う。購入を検討しているなら、事前に店頭で実際にキーを触って確かめてみた方がいいだろう。

キーボードと同様に、今回新しく開発されたのがトラックパッドだ。従来はトラックパッド全体が物理的なボタンになっており、下方向に押し込むことができた。本機では、圧力感知機能と触覚フィードバックにより擬似的にそのクリック感を再現したものになっている。しかし、擬似的とはいっても従来のように下方向に押し込んでいる感じはそのまま。電源がオフのときにトラックパッドを押しても沈み込まないのを確認するまで、本当に擬似的なものなのかどうか分からなかったくらいリアルな感触がある。この技術はMacBook以外にも現行のMacBook Pro 13インチRetinaディスプレイモデルにも搭載されているので、ぜひ店頭で確かめてみてほしい。

インターフェイスに関しては、データ転送用のポートがUSB-Cポートひとつのみ。iPadやiPhoneがLightningコネクタでデータ転送と電源供給の両方を兼ねているように、MacBookのUSB-Cポートもひとつのポートでデータ転送と電源供給、ビデオ出力の機能を兼ね備えている。そのため、別売のアダプタを使用しないと充電しながら周辺機器を直接ケーブルで繋げることは不可能。純正アダプタは今のところ、「USB-C - USBアダプタ」、「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」、「USB-C VGA Multiportアダプタ」の3種類となる。このうち、「USB-C - USBアダプタ」はMacBookのUSB-Cポートに標準的なUSB機器を接続するためのもの。ほかのふたつは、標準的なUSB機器と充電ケーブル、外付けディスプレイの3種類を繋げることができる。

HDMI端子を搭載する一般的なコンピュータ用ディスプレイや家庭用テレビに繋いで使う場合は、「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」を利用することになる。その際、30Hzで最大3,840x2,160ピクセル(4K)の解像度に対応している。ただしMacの場合はHDMI出力だと色空間がテレビで採用されているYUVになってしまうので注意が必要。テレビに繋げる場合はそれで問題ないが、色空間がRGBのコンピュータ用ディスプレイを使う場合は、HDMI-DVI変換ケーブルなどを利用してディスプレイのDVI端子に繋いだ方が正確な色や階調を再現できる。

USB機器や外付けディスプレイを使うのにいちいちアダプタが必要になるのはめんどうだが、これら周辺機器のケーブルをアダプタに繋ぎっぱなしにしておけば、MacBookにアダプタを繋げるだけで機器をすぐ使えるようになるのは便利といえば便利である。

本体の薄さを実現するためか、キーボードはストロークが非常に浅い。しかし、打鍵感は好印象だった

キーボードバックライトは、キーの周囲から漏れる光が減ってより見やすくなった

圧力感知機能を搭載した感圧タッチトラックパッド。触覚フィードバックがすごくリアル

USB-C(左)とiPhoneなどで採用されているLightningコネクタ(右)。USB-Cが非常に小さいことが分かる

USB-C - USBアダプタ

USB-C VGA Multiportアダプタ

USB-C Digital AV Multiportアダプタ