更なる新しい工夫が必要

生活圏に多く展開する実店舗を利用し、レンタルCD/DVDや書籍を見に来たユーザーにもSIMや端末をアピールできるゲオスマホの展開は、激化するMVNO市場でユーザーを獲得していくため、互いの強みを活かした正しい戦略を取っているように思われる。

しかし、これは同時に、これまでは自分でサービスを比較・検討し、自ら積極的に契約を選んできたアーリーアダプター層から、絶対的な母数は多くとも、手取り足取りしなければいけない層にまで手を広げざるをえない段階に来たと見ることもできる。こうした層にまでアプローチしなければならないというのは、すでにMVNOは成長市場から安定市場へと変貌する段階にきているのかもしれない。

MNOキャリアとも限られた市場を分け合っていかねばならない状況を考えると、唯一の回線としてMNPでユーザーを取り合うより、安価なSIMと端末で2台目・3台目需要を喚起するなどの施策も必要になってくるだろう。MVNOキャリアには今後一層の工夫と切磋琢磨が必要になっていきそうだ。

(記事提供: AndroWire編集部)