米Microsoftは3月24日(現地時間)、Windows 10に搭載する新ブラウザ「Project Spartan」(開発コードネーム)の開発者向けワークショップを開催し、Windows 10のデフォルトブラウザであるSpartanが新しいエンジン(Edge)だけをホストすることを明らかにした。レガシーなWebサイト向けのソリューションとしてInternet Explorer(IE) 11を搭載し、IE11は引き続きレガシーエンジン(Trident、MSHTML)のみをホストする。

今年1月にSpartanの概要を明らかにした際には、Windows 10のSpartanとIEがEdgeとTridentの両方をサポートするデュアルレンダリングエンジンになるとしていた。ユーザーはSpartanとEdgeのどちらのブラウザを使っても、必要に応じてエンジンを切り換えられる。しかしながら、この方法だとノートテーキングやリーディングモード、Cortana統合といったSpartan独自の機能はともかく、Web標準対応という点でSpartanとIEは同じになる。レガシーなWebサイトをサポートする必要性からモダンWebの進歩に乗り遅れたIEとは別に、「次世代のWebのためのブラウザ」として提供するのがSpartanである。その狙いを明瞭にするために、デュアルレンダリングエンジンを撤回し、モダンWeb対応を進めるSpartanと、レガシーなWebをサポートするIE11というようにはっきりと役割を分担した。

今年1月時点では、2つのレンダリングエンジンを切り換えるデュアルレンダリングエンジンによってSpartanがEdgeHTMLとMSHTMLの両方をサポートする計画だった。

今回のアップデートでSpartanはモダンWebブラウザに、IEはレガシーサポート専用に役割分担された。

Project SpartanのプログラムマネージャーであるKyle Pflug氏によると、Spartanの互換性は非常に高く、通常のWeb利用において互換性を補うためのレガシーエンジンは必要ない。Windows 10におけるIE11は、基本的にWindows 8.1のIE11と変わらない。Windows 8.1やWindows 7のIE11と同じように動作する。IE11はレガシーなWebサイト向けのソリューションが必要なエンタープライズ用であり、レガシーなWeb技術に依存するエンタープライズはグループポリシーを通じてIE11をデフォルトブラウザに設定できる。