もはや、スマートフォンには見えないほど重厚に進化したウォークマン ZX2だが、この変身の理由はなんだろうか?

ZX1は登場した後、非常に品薄の状態が長く続いていた。これはソニーの予想よりも大幅に需要があったということ。つまり、ソニーは高音質なポータブルオーディオの市場規模を読み違えていたというわけだ。ZX1の次世代機を作るのに、より大きな市場を見込んで、より本格的なデバイスを開発しようと考えるのは当然のことだ。

価格を見ると、ZX1が実売70,000円程度だったのに対して、ZX2の価格は現時点で120,000円前後。実に2倍近いのだ。これは高音質のためにつぎ込める技術を惜しまず投入した結果が、コストとして現れた(サイズも大きくなった)わけだが、ZX2とZX1はもはや同じセグメントと言えないような違いだ。

イヤホンジャック周囲のゴールドリングがいかにも高級オーディオ

箱も高級感たっぷり

ZX1で高級ポータブルオーディオの市場がより大きく、ユーザーはより本格的なものを求めているのを知ったソニーが、より本気で開発した製品がZX2だとオレは推定している。だから、価格からルックスまでかけ離れて別物に進化したというわけだ。

また、世界の高級ハイレゾポータブルレイヤーには、極めて本気でハイコストで開発された30万円級の製品もあるので、このぐらい本気でやらないとポータブルオーディオ界でのソニーの存在感がなくなってしまうということもあるだろう。

そんなわけで、オレのなかではソニーの高級ポータブルハイレゾプレイヤーの歴史はZX2から始まったというイメージだ。