スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですから、スペック表を見れば専門用語のオンパレード……これではおいそれと比較できません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「Google Cast」についてです。

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Google Castは、音楽や動画をストリーミングデータとして他のデバイスに配信する機能(ソフトウェア)です。ディスプレイのHDMI端子に挿して利用する小型メディアストリーミング端末「Chromecast」にあわせて公開され、AndroidやiOS向け再生アプリに組み込まれる形で利用されています。

アプリ以外にも、WEBブラウザ「Google Chrome」の拡張機能(プラグイン)としても配布されており、特別なハードウェア要件は存在しないため、Google ChromeがサポートするOS(Windows/Mac/Linux/Chrome OS)で動作します。ただし、動画のように表示する側の処理能力が問われるコンテンツも扱うため、ある水準以上のCPU/GPU性能が求められます。

Google CastはAppleの「AirPlay」によく似ていますが、動画や静止画、音楽といったコンテンツは送信側の端末(スマートフォン/パソコン)にあるものだけが対象ではありません。WEB上にあるデータをChromecastなどGoogle Cast対応デバイスに再生指示できるため、YouTubeのような動画サイトのコンテンツも事前にダウンロードすることなく再生できます。

Google Castは仕様とソフトウェア開発キットが公開されているため、サードパーティー製アプリの開発も可能です。実際、「dビデオ」や「Hulu」などの動画サービス視聴アプリは、Google Castに対応しています。Google Castを受信できるデバイスはChromecastやNexus Playerなど種類が少ないため、アプリ紹介時には"Chromecast対応"と表現されがちですが、機能としてはGoogle Castが利用されているのです。

1月時点ではGoogle製品しか販売されていないGoogle Cast対応デバイスですが、2015年中にはテレビなど家電に組み込まれる形で登場します。日本メーカーではSONYやSHARPが採用を表明している「Android TV」は、Chromecast相当の機能が標準装備されるため、より手軽に動画や音楽を楽しむことができそうです。

HDMI端子に挿して利用する「Chromecast」。その核となる配信機能が「Googel Cast」です

(記事提供: AndroWire編集部)