2014年のスマートフォンを漢字一字で言い表すなら、どんな言葉が当てはまるのか。ライターのYoichi Yamashita氏に、今年を象徴する一字を選んでもらい、その理由や所感などを記してもらった。

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今年のスマートフォンを表す一文字、私が選んだのは「脱」です。XiaomiのiOSの真似っぷりに脱力とか、いろんな"脱"がありますが、脱サラとか、脱ザックとか、脱Facebookとか、何か新しいことに踏み切ったり、何かから自由になる意味の「脱」です。何かが変わるような響きのある言葉ですが、でも「脱…」と表現される時って、変わっているようでむしろいきづまっていたり、もがいていることがままあります。色々と変わりそうで脱けきれなかった、そんな一年だったと思います。

例えば、今年登場したiPhone 6シリーズは間違いなく、Appleが否定していた大画面に踏み切ったiPhoneとして思い出されるでしょう。他にもAppleは、サードパーティのキーボードを認めるなどiOSのAPIを大開放し、OS Xのパブリックベータを実施するなど脱・ジョブズ時代を鮮明にした年でした。CEOのTim Cook氏はTIMEの「今年の人」のファイナリストに選ばれています。

でも、大画面のiPhone 6シリーズが大成功してなお、Jobs氏の遺産と見る風潮はまだ根強く残っています。アギーレジャパンだって、勝てば勝ったで「ザックの遺産で勝った」と言われています。アジア杯制覇ぐらいの実績をあげない限り、払拭できそうにないのが成功の記憶です。その意味で来年のApple Watch発売がクックアップルの勝負どころ、評価の分かれ目になりそうです。

Apple Watchの登場で私たちのモバイルライフは変わるか?