天面の電源スイッチを押すと、沈胴式のズームレンズがせり出して1秒強で起動し、撮影スタンバイになる。レンズは、ワイド端では先端から約3.4cmせり出し、テレ端までズームアップすると約5.2cmせり出した状態になる。

AFには、同社のマイクロフォーサーズ機などから受け継いだ空間認識AFを採用する。ライブビュー映像から、撮影空間の被写体距離を瞬時に算出する技術だ。測距点の位置と形状を自由に変更できるカスタムマルチAFや、瞳認識AFなども継承する。

【左】背面の十字キー(カーソルボタン)には、ISO感度、ホワイトバランス、ドライブモード、オートフォーカスモードの4機能が割り当てられている。これを変更し、十字キーのダイレクト操作で、AF測距点の移動を行うことも可能だ 【右】前面にはセルフタイマーランプ兼AF補助光ランプを装備する。注意したいのは、ストロボが非搭載であること。ストロボ撮影を行うには、オプションの外部ストロボを別途用意する必要がある

AFスピードは軽快で、ズームのワイド側/テレ側を問わず、スムーズに合焦する。オートフォーカスモードは、カスタムマルチのほか、顔・瞳認識、追尾、49点マルチ、1点、ピンポイントに対応。測距点の選択は十字キーの上下左右を押すことで行える。欲を言えば、タッチパネルによる測距点選択に対応して欲しかったところだ。

【左】天面にはシャッター速度ダイヤルと露出補正ダイヤルを、レンズ鏡胴部には絞りリングをそれぞれ搭載。ホットシューには、外部光学ファインダーや外部ストロボ、LEDビデオライトなどを装着できる 【右】シャッターボタンのそばには、全自動モードに切り換えるためのiAボタンと、各種フィルターを選択するためのFILTERボタンを装備する

露出モードは、プログラムAE、絞り優先AE、シャッター優先AE、マニュアルの4モードが用意。絞り値はリング回転で、露出補正は専用ダイヤルでそれぞれ1/3段ステップで調整できる。シャッター速度に関しては、天面のダイヤルでは1段ステップでの調整だが、コントロールリングまたはコントロールダイヤルを併用することで1/3段ステップでの調整が可能になる。

全自動で撮影したい場合は、天面のiAボタンを押す。すると、インテリジェットオートモードに切り替わり、撮影シーンに応じて各種の設定が自動的に最適化されるようになっている。

【左】モノとしての魅力を感じる端正なボディデザイン。カラーバリエーションとして、写真のブラックのほかにシルバーが用意される 【右】背面には、各種パラメーターを調整可能なコントロールダイヤルや、主要設定を素早く呼び出せるQメニューボタンを装備する