Mozillaはパフォーマンスの違いアピール

いずれにしても、ユーザーにとっては、そのアプリがHTML5アプリか、通常のアプリ(ネイティブアプリ)か、というのは区別する必要はない。iOSもAndroidもHTML5アプリに対応しており、すでにHTML5アプリを利用している人もいるかもしれない。Mozillaがアピールする大きな違いは、パフォーマンスの点だ。

例えば2012年まで、FacebookアプリはHTML5で開発されていた。しかし、動作が遅く、ユーザーには不評だった。OS側のレンダリングエンジンの問題ともいわれるが、工夫によってはネイティブアプリ並みの速度も出せるともいわれる。それはともかくとして、AndroidやiOSでは、HTML5アプリの処理速度が不十分とされ、ネイティブアプリが主流になっている。

これに対して、Firefox OSは、HTML5アプリが高速に動作する点を差別化としてあげる。HTML5アプリの動作が快適であれば、Webの標準技術を使ったアプリ開発が現実味を帯びる。もちろん、利用者がいなければアプリ開発が進まないが、少なくともWebアプリを開発できる開発者の数は、iOSやAndroidのネイティブアプリ開発者と比べても多く、こうした点は有利とされている。

すでに国内では、MozillaからFirefox OS開発者向け端末「Flame」が発売されているが、あくまでリファレンスであり、一般消費者が購入するものではない。今回、KDDIから正式に一般向けの端末が登場することで、日本でも利用者が増え、アプリ開発者の参入が期待できる。

Flame

また、Firefox OSは特徴的な機能として「適応型」というキーワードをあげている。例えば、ホーム画面から検索を行うと、単にアプリ名から検索するだけでなく、検索語に関連したアプリも表示される。例えばアーティスト名を入力すると、YouTubeや音楽アプリを表示する、といった具合だ。もちろん、iOSやAndroidで使えるような機能はサポートしていることも多い。

そうした意味で、Firefox端末を選択するかどうかは、「特徴的な端末」と「使いたいアプリがあるか」という2点が重要になりそうだ。