メインブラシは"コンボブラシ"(黒)と"シリコンブレードブラシ"(半透明)の2種類。メインブラシもサイドブラシも、工具等を使わず簡単に取り外せる

その他、Botvacシリーズでは、じゅうたん・カーペット用の"シリコンブレードブラシ"と床用の"コンボブラシ"の2種類を用意する。シリコンブレードブラシは、叩いてゴミを浮かせてそのまま吸い込む仕組みのため、フローリングで使用すると音が非常にうるさい。Botvacの下位モデルにはシリコンブレードブラシしか付属しないので、フローリングの家庭はオプションでコンボブラシを購入するか、上位モデルの85モデルを選ぶことをオススメしたい。

また、入ってほしくないエリアを囲うための磁気テープが付属する。テープを敷いて仕切るだけ、という原始的なもので、電源を必要としないのがメリット。ただし、掃除のたびに敷設と片付けが必要となるのはやはり面倒だ。しかもただ置いただけでは、掃除機が押し出してしまって位置がずれてしまうので、マスキングテープ等でしっかり固定しておく必要がある。シンプルで直感的な方法だが、使い勝手の面ではやや難ありだと感じる。

侵入させたくないエリアを仕切ることができる専用の磁気テープ

掃除機は、磁気テープを敷設したラインを超えずに運転する

<動画>専用磁気テープで区切られたエリア内の掃除の様子

動作モードは部屋を全体的に掃除する"家を掃除"と、1.2m×1.8mの範囲を掃除する"スポット掃除"の2種類。さらに、掃除が終了したり、途中でバッテリーがなくなると自動で充電台に戻る機能もある。しかし、リモコンは付属せず、遠隔操作で任意の場所へ移動させて掃除させるといった操作はできない。他のリモコン付きのロボット掃除機に慣れたユーザーであれば、その点はやはり不便に感じてしまうだろう。

カラー表示の液晶ディスプレイ。写真はホーム画面。真下にあるのが決定ボタン、右側の矢印ボタンと戻るボタン

本体右下にあるのが"家を掃除"モードのボタン。押すとディスプレイにモードが表示される

"家を掃除"モードで稼動させる際は動き出す前にセンサーが位置を確かめ、その間は写真のように表示される

動作を途中で停止させるには、もう一度モードボタンを押す。すると、画面に停止メニューが表示され、動作を選択する。再開もこの画面から行うため、やや操作が煩雑になる

"スポット掃除"モードの画面。本体左下のボタンを押せば選択できる

スケジュール設定機能も。曜日ごとに稼働時間を設定しておける

ポップな見た目だけど実は……

Botvacの全体的な印象をひと言で喩(たと)えると"スマートなインテリジェントロボ"。障害物に体当たりで向かって、四方八方をあくせくと動き回ってしっかり掃除をする"ガテン系"のルンバに比べると、実に規則正しくスマートに働いてくれる。見た目も戦闘機のように屈強そうなルンバに対して、白にポップなカラーでかわいらしい見た目。正直、このかわいらしい見た目のせいでロボットトイ的な第一印象を受けた筆者は、Botvacの性能にあまり期待をしていなかった。が、試用してみると予想に反して賢い。そう考えると、見た目で少し損をしているかもしれない。

細かい部分で改良の余地はまだまだ十分あるが、搭載されている技術、性能による実力そのものでは、米国でのシェア2位の位置づけにあるとおり、日本でも王者・ルンバの対抗馬となりそうだ。

充電台で待機中のBotvac。お尻の部分に接触端子を備えるので、充電台は比較的コンパクト

後ろ側は排気口の上下に充電用の接触端子があり、スッキリしている

充電台の裏側は、ケーブルを巻き付けて長さを調節できる溝が設けてある。余ったケーブルが邪魔にならず、スッキリ設置できる。ちょっとしたことだが配慮がうれしい