本当に正確なマッピングが行われているか否かは、残念ながら家庭で検証することは難しいが、稼動後の数秒間はセンサーだけが動作し、位置を確認してから動き出すというのが印象的だった。まずは部屋の外周から掃除を始め、その後、内側を直線的で規則的な動きで掃除していくので、部屋のあちこちをフリーダムに動き回るルンバと比べるとスマート。実際、同じ広さの部屋で稼動させてみても、我が家のルンバに比べて掃除時間が短かった。人の代わりに自動で掃除をしてくれるロボット掃除機にとって、掃除にかかる時間は重要ではない、と思う人もいるかもしれないが、在宅時に稼動させたい時や来客がある時には、動作時間が短い点はやはりありがたい。

<動画>掃除は壁際を1周した後は次第に内側へ。全エリアの清掃が終わると、自動で充電台へ戻る

レーザーセンサーは、毎秒1,800回のスキャニングを行うことで部屋の状態を認識し、自らの位置情報を記録しながら走行する。そのため、同じ場所を重複して掃除することは基本的にはないとのことだ。効率が良いが、その一方で通過した際に取り除けなかったゴミはそのまま残ってしまうことになる。

サイドブラシ。他の機種と比較すると毛足が短く、とても小さく見えるが、4本の刷毛でゴミをこまめにかき集める

本体が家具の足元ギリギリまで近寄ることができるので、ブラシの毛が短くてもテーブルの脚に届いている

本体上部のブルーの丸い部分がセンサーを発する装置。カラーは機種によって異なる

BotvacのD字型の形状は障害物に引っ掛かりやすいのではないかという懸念もある。一般的な円形のロボット掃除機であれば、万が一狭い場所に入り込んでしまった際に回転をすることで方向転換が行え、脱出がしやすい。これに対し、BotvacではD字の角の部分が引っかかって方向転換が難しくなる。

しかし、実際に我が家で動かしてみた限りでは、家具のすき間に入り込んで身動きが取れなくなっているということは一度もなかった。もちろん、家具などの配置にもよるだろうが、「そんなところに入っていけるかな?」と思っていたところにも回り込んで侵入するなど、予想していたよりも賢かった。マッピング機能によるものか、部屋の状況を把握し、的確な判断をしているような印象だ。