iRobot社の「Roomba(ルンバ)」が大ヒットしてから、国内外メーカーの新規参入が相次ぐロボット掃除機市場。2014年9月、ルンバと同じアメリカのロボットメーカーが手掛ける新製品が日本に上陸した。2009年にシリコンバレーで創業されたロボット開発ベンチャー企業・ネイト ロボティクス社の「Botvac(ボットバック)」だ。
日本では初披露ということで認知度こそ低いが、アメリカでは王者・ルンバに次いで2位の市場シェアを誇る。現在、ロボット掃除機市場に参入する家電メーカーの多くが、従来の掃除機を自動化するというアプローチで製品を開発している。これに対して、ロボットメーカーとしてスタートしているiRobotのルンバは"掃除をするロボット"というのが開発の原点。ネイト ロボティクスは、そういう意味ではiRobotと開発の哲学を同じくする企業。しかし、その製品「Botvac」の仕組みや設計は、iRobotのルンバとは大きく異なっている。
その代表的な違いが本体の形状だ。ロボット掃除機は円形または正方形、というのが主流であったが、Botvacはアルファベットの"D"字型と、なかなかユニークな形状をしている。もちろん、この形状にはそれ相応の理由がある。D字形状で前部がフラットになっているおかげで、壁際ギリギリまで接近できるのだ。