そして"全部入り"となる「一太郎2015 スーパープレミアム 30周年記念パック」についても紹介しよう。ワコム製タブレットを同梱し、2種類の専用ソフトを用意するなど豪華なパッケージとなるが、筆者は「一太郎dash 30th」に注目したい。そもそも元となる一太郎dashは、1989年10月にリリースされたDOS専用のアプリケーションだ。高機能化を進めた当時の「一太郎 Ver.4」は、快適動作にはスペックが足りないPCが多かったため、機能を限定したサブセット版として、一太郎dashのリリースにいたっている。

ワコム製タブレットを同梱し、ペン操作によるイラスト作成にも対応する

会場に飾られた「一太郎dash」のパッケージ。これを目にするだけで懐かしい気持ちになる読者もおられるはずだ

当時の雰囲気を醸し出すため、ウィンドウ内にCRTディスプレイ風の描画を行いながら、DOS画面と同じUIを採用。一太郎といえば「ESC」キーによるメニュー呼び出しだが、そのようなユーザビリティは当時そのまま。話を聞くと「Windowsネイティブアプリケーションとして動作する」とのことだ(前述の吉住氏)。また、パッケージに付属するCDケースは、当時と同じ5インチフロッピーディスクを模倣したものという凝りようだ。発表会に訪れた報道陣の年齢層が高めだったせいか(ここは一太郎やATOKの歴史が大いに影響しているところ)、フロッピーディスクの写真がスライドに映し出されると、思わず失笑する記者も少なくなかった。

30周年を記念して、DOS時代のアプリケーション「一太郎dash」も完全復活

一太郎といえば「ESC」メニューというくらい、キーバインドは当時そのまま

辞書引きや文書校正、EPUB出力など機能面の強化も施されている

当時を思い出させる5インチフロッピーディスクも付属。もちろんフロッピーディスクではなくCDケースである

一太郎dash 30thは、一太郎の30周年を記念したアプリケーションのため、今後のバージョンアップや新OSリリース時にサポートする予定はないとしながらも、ユーザーの反響が大きければ今後も開発を続ける可能性はあるという。