スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ち、様々な部品や技術が搭載されています。そんなスマートフォンのカタログを見たときに、専門用語 のオンパレード……と思ったことはないでしょうか。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「Android Wear」についてです。

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Android Wearは、時計型デバイスに最適化されたAndroid OSの派生版です。いわゆるスマートウォッチ/ウェアラブルデバイスですが、ハードウェアの設計/製造はデバイスメーカーの裁量に任されており、厳密にいうとAndroid Wearはオペレーションシステムと標準装備のアプリ群を指します。

11月現在発売されているAndroid Wear端末には、LGの「G Watch」、サムスンの「Gear Live」、ASUSの「ZenWatch」などがあります。国内メーカーでもSONYが「SmartWatch 3」を11月28日に発売し、家電販売店のほかにキャリアショップ(au/ソフトバンク)でも扱われています。

オペレーションシステムとしてのAndroid Wearの特徴は、スマートフォン/タブレット上のアプリと連係動作できることが挙げられます。通信に利用されるのは低消費電力で知られる「Bluetooth LE」、Android OSが動作するスマートフォン/タブレットとペアリングしたうえで利用します。

スマートフォン/タブレットのAndroid OSとの互換性は高く、開発ノウハウが生かせることからすでに多くのサードパーティー製アプリが公開されています。負荷の高い処理はスマートフォン/タブレット側に任せ、Android Wear側は結果を表示する程度のアプリ(仮にシンクライアント型アプリと呼びます)も開発できますが、完全に独立動作するアプリも開発可能です。

重力センサーやジャイロスコープセンサーなどのセンサー類にも、Android Wearアプリからアクセスできます。ただし、直接インターネットに接続する機能はなく、Bluetoothでスマートフォン/タブレットの通信回線を経由することになります。

その用途ですが、豊富なセンサー類を利用してライフログを作成する、メールの着信などAndroid端末から受け取った通知に対しなんらかのアクションを行う、カメラのシャッターを切るなどAndroid WearデバイスからAndroid端末のアプリを遠隔操作する、といったことが挙げられます。まだ登場間もないデバイスですから、今後新しい活用方法が見出されていくことでしょう。

Android Wear端末は単独でも活用できますが、Android端末と連係させると活用の幅が広がります(写真は「SmartWatch3」)