「Nexus 9」は、Android 5.0を搭載した8.9インチタブレットです。GoogleのNexusシリーズは、事業者の専用端末として販売されることもありますが、基本的には、Googleの直販で、搭載されているアンドロイドは、基本的なもので、いわゆる「独自アプリ」などは一切乗ってません。ソフトウェア開発や周辺機器接続などの「リファレンス」という側面も持っています。米国での予約開始とほとんど同時に日本でも予約が開始になったのでさっそく購入しました。

Nexus 9は、9インチのAndroid 5.0搭載タブレット。価格が違うためか、Nexus 7よりも高級感がある

背面は端に向かって緩いカーブがあり、しっとりとした感触の塗装が行われたプラスティック。感じとしてはNexus 5に似ている

ボタンやコネクタ類の配置については、Nexus 7とほとんど同じで、本体を液晶側からみて右に電源キーとボリュームキー、上部にヘッドホン、ヘッドセットコネクタ、下にマイクロUSBコネクタがあります。筆者が購入したのはWi-Fiモデルなので、SIMトレーなどはありません。

液晶側には、上下(縦位置の場合)にステレオスピーカー、上部にフロントカメラがあります。正面からはカメラしかみえませんが、液晶の上部に明るさセンサーがあるようです。ちょっと気になるのは、本体上部側面にある「切れ目」のような部分。ここだけ色が違っていて、見た印象は、LEDなどの光を透過するような部分なのですが、設定やヘルプなどに、通知LEDに関する記述はなく、何のためなのかが不明です。最初は、光センサーなのかと思っていたのですが、光センサーは、フロントカメラの左側のあたりにあり、このあたりを隠すと画面の明るさが変化します(自動調光設定時)。また、インターネットにある写真のいくつかでは、この部分がないように見えるNexus 9の写真もあります。米国では、11月3日に出荷開始なので、早い時期に出た写真は、おそらくGoogleから出た試作機だと思われます。なので、仕様に細かい違いがあるのは納得できるのですが、製品にあるこの色が違う部分がなんのためなのかがすごく気になります。

本体上部にあるヘッドホン/ヘッドセット端子と「謎」の切れ込み。一部だけ違う素材でできているようだ

Nexus 9は、角は丸くなっていますが、正面から見ると縦横は直線になっていて、割りと「カチッ」っとした矩形感が強く、直線的な印象を受けます。液晶のアスペクト比が4対3なので、Nexus 7や5に比べると、長細い感じがほとんどなく、「安定」した印象の矩形です。液晶まわりの、いわゆる「額縁」の部分は、それほど小さいわけでもありません。左右が7ミリ程度、上下は、2センチ程度です。液晶の上下の部分も、上下ともほぼ同じ大きさで、液晶部が全体の中心に配置されています。全体としてもほぼ4対3を維持している感じです(正確には4対2.7ぐらい)。

側面部分は、背面から液晶側に向かって角度がつけられています。底部側が大きく、液晶側に向かって狭まるような角度です。このため、側面を指で押さえてもちゃんと本体を保持することが可能です。さわるとひんやりとすることから、側面は金属部品と思われます。また、背面は、緩いカーブがつけられており、しっとり感のあるプラスティック部品になっています。このあたりの手触りや作りは、Nexus 7よりもNexus 5に近い感じがあります。ちなみに、この背面部品は、ツメでとまっているだけなので、マイクロUSBコネクタのところを手がかりにして引っ張ると、外れるようになっています。ただし、結構ツメの数が多いので、工具などを使わないと外すのは難しいでしょう。金属工具だと、部品を傷める可能性もあるので、プラスティックのヘラのような工具が必要です。筆者は、プラスティックのもんじゃ焼きに使うような小さなヘラ(100円ショップで入手)を使っています。

本体右側面には、電源キー(上)とボリュームキー(下)があり、その上にマイク用と思われる小さな穴がある

背面カメラは、端のほうが少し飛び出している。前の写真と合わせてみると、内側は底面と一致していることがわかる

液晶上部には、フロントカメラとスピーカーが配置されている

背面にゆるいカーブがあるため、背面左側(正面からみると右側)にあるカメラは端側が少し飛び出しています。内側のツラはほとんど合っているので、特にぶつけそうな感じはないと思います。

液晶の解像度は、1536×2048ドットで、8.9インチなので約288dpiです。小さな文字でもドットが見えるようなことはなく、品質の高い表示が行われていますが、特に描画にもたつきは感じられません。何本か映画を見たり、自分で撮った写真を表示させてみましたが、特に色がずれる発色は悪くなさそうです。

スピーカーは、縦位置で正面の液晶の上下にあり、横位置で映画などを再生すると、Nexus 7よりも左右の間隔あるのか、比較的良好なステレオ感があります。

ワイヤレス充電には対応していませんが、NFCは搭載していて、アンテナが本体背面、上部にあります。8.9インチのタブレットで、支払などはしないでしょうが、上部が出っ張っていて全体が平らではないNFCリーダー(米国のSmartPay用のリーダーなどに見られる形)などにも引っかからないで通信できそうな位置です。

マイクとみられる小さな穴は、本体右側面(カメラの横)と底部側面右側にあります。Android 5.0では、OK Googleの声で音声検索を開始できるようになっていますが、複数のマイクがあるため、発声時にマイクの位置を気にする必要はなさそうです。

カバーなどの固定のためか、本体側面や背面には磁石が入っているようです。また、本体正面のスピーカーにも磁石が使われているので、クレジットカードやIDカードなどの磁気カードのそばにおくのは避けた方がよさそうです。意外に忘れがちなものとして、ホテルなどのカードキーにも磁気を使うものが多く、ちょっと注意したほうがいいでしょう。また、磁石を液晶面に近づけてみましたが、Nexus 7のようにカバーに入っている磁石でスリープ状態になるような機構は入ってなさそうです。

次回は、Nexus 9のソフトウェアについて紹介する予定です。

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