アプリ上でF1.0~F16まで変換できる

LYTRO ILLUMで撮影したデータを扱うパソコン用のアプリケーションは「LYTRO DESKTOP」。Windows版とMac版が無料で公開されている。「F1.0~F16まで変換できる。その技術があったからこそLYTROに入社した」とはハンセン氏。LYTRO DESKTOPでは、撮影データの絞り値を変えて被写界深度を調整したり、リフォーカス=焦点位置を変更しながらアニメーションを作成することもできる。

LYTRO DESKTOP

「再フォーカスされた画像(.jpg)」などユニークなファイル書き出しメニュー

ちなみに、LYTRO ILLUMのレンズの絞りはズーム全域でF2.0固定。撮影後にソフト上で調整することが前提なのだろう。よって撮影モードに「A」絞り優先モードは存在しない。その代わり、「I」ISO感度優先オートが用意されているのがユニークだ(ISO80~3200に対応)。

なお、撮影データのリフォーカスを可能とするための動作環境は、Mac OS X 10.9以降、Windows 7/8、8GB以上のメモリ、Core i5以上のCPU、Intel HD Graphics 4600以上/AMD Radeon HD6750以上/NVIDIA GeForce GTS450以上のグラフィックスが推奨されている。

ハンセン氏のプレゼンテーションでは、iPad版のアプリも紹介された。二本の指でピンチする操作などタブレットならではの扱いやすさを取り入れている。なお、リフォーカスを行うには「iPad Airなど新しい機種でなければ厳しい」(加賀ハイテック説明員)とのことだ。Android版も開発中で近日公開する予定となっている。

アプリを通じて、「pictures.lytro.com」や「500px」に作品をシェアすることができる。リフォーカスが可能だからと漫然と写したのではなく、何らかの意図を持って撮影した作品が多く公開されている。また、pictures.lytro.comでは本稿冒頭の「イソギンチャク」作品のようにアクセスした人がリフォーカスを楽しむことも可能だ。

iPad版アプリ

lytro.comや500pxで作品のシェアが可能

30~250mmの8倍ズームレンズは日本製

すでにLYTRO ILLUMが発売されている米国や欧州での評判は上々で、供給が追いつかないほどとのこと。ターゲットユーザーは、プロ写真家やプロクリエイター、ハイアマチュア層。ウェディング市場での普及にも期待しているという。国内での年間販売目標は10,000台。CP+2015への出展を予定している。

では以下、LYTRO ILLUMの特徴を写真とともにフラッシュで。

レンズは35mm判換算で30~250mmの8倍光学ズーム。絞りは全域F2.0固定だ。日本のメーカーと共同開発した

液晶モニターは4型・800×480ドット。デュアルヒンジにより、-10~+90度のチルトが可能だ。タッチ操作にも対応

サイズと重量は86×145×166mm/940g

付属品一式。レンズフードやNDフィルターも同梱される。NDフィルターはレンズがF2.0固定のため、明るい日中の撮影用に付けたとのこと

11ac対応のWi-Fi機能も内蔵している

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