iMacがRetina化&5K対応、WatchKitは11月に公開

ついに、iMacにもRetina Displayが搭載される。「iMac Retina 5Kディスプレイモデル」と呼ばれる新しいiMacには、4K(3180×2160/830万画素)を上回る5120x2880/1470万画素の液晶ディスプレイが用意され、ついにデスクトップMacにも高解像度化/高精細化の波が到来した。家庭用テレビはすでに4K化が進行中であり、映像制作環境も4K対応を迫られる状況下"やっと"という感もあるが、27インチで25万8,800円という現実的な値付けもあって多くのユーザに歓迎されることだろう。ただし、接続可能な外部ディスプレイは最大3840×2160ピクセルと4K相当であり、解像度を揃えたマルチディスプレイ環境は構築できない。

ついにiMacにもRetinaディスプレイが採用。しかも、4Kを超える「Retina 5Kディスプレイ」だ

画素数は5120x2880/1470万、まだ普及期に入ったばかりの4Kディスプレイの水準を大幅に上回る

5Kディスプレイの採用にあたり、最大40Gbpsという帯域幅のタイミングコントローラ「TCON」を新開発した点も興味深い。液晶ディスプレイには水平/垂直出力に対応したパルス信号が必要で、画素数などその仕様にあわせたタイミング設計が欠かせないが、Appleはその部分に関与したことになるからだ。これまでのiMac同様全個体に対し計測器を利用した色補正を実施し、さらに色の再現性を高めるための補償フィルムを貼るなど、映像ポストプロダクションを意識したMacとなっている。

iOS関連では、Touch IDとNFCを利用した決済サービス「Apple Pay」が10月20日(米国時間)に開始されることが発表された。対応システムはiOS 8.1以降、同日よりソフトウェアアップデート経由で配布される。カード発行銀行は9月9日の発表時点より増えて500を突破、American Eagle OutfittersやChevronなど決済可能なチェーン店も増加している。

Apple独自の決済システム「Apple Pay」は、iOS 8.1のリリースにあわせた10月20日(米国時間)に提供開始される

Apple Watch向けSDK(アプリ開発環境)「WatchKit」が11月に提供開始されることも明らかにされた。これまで限定された企業にのみ提供されてきたが、iOSアプリのように個人デベロッパーも開発/販売に参画できるというわけだ。実機の発売に先立ちSDKを公開するとなると、どのように動作検証するか気になるところだが、iOS SDKのようにシミュレータが付属するのだろうから、先行配布の意味はある。

Apple Watchのアプリ開発環境「WatchKit」は、デバイスの発売に先立ち11月にリリースされる

なにより、どのようなフレームワーク/ライブラリが用意されているのか、iOS/OS Xの開発ノウハウを継承できるのか、ユーザインターフェイスの設計はどうするのか -- iOSアプリには「iOSヒューマンインターフェイスガイドライン」という規定があり、同様の規定がApple Watchアプリにも設けられるはず -- といった点を早期に確認できるメリットは大きい。Apple Watchに"賭ける"のであれば、デベロッパープログラムへの参加およびSDKの入手は必須だろう。