背面モニターには、アスペクト比3:2のチルト可動式液晶を搭載する。可動の角度は上側180度に対応。ローポジション撮影に加え、撮影者側にカメラを向けた自分撮りがスムーズに行える。ヒンジ部はしっかりとした設計で、可動した状態でも不安定な印象はない。

PowerShot G1 X Mark IIとは異なり、下方向には可動しないのが少々残念なところ。これは薄型デザインとボディ剛性を優先したためだ。撮影はしにくくなるが、カメラを上下逆さにして構えればハイポジョン撮影ができないわけではない。

【左】手ブレ補正は光学式のマルチシーンISに対応。補正効果は3段分 【右】小型ボディながら、ボタン類には適度なサイズがあり、押しやすい

液晶モニターのサイズは3型で、ドット数は約104万ドット。十分な明るさと精細感があり、視認性は良好といえる。ファインダーは非搭載だが、試用していて特に不自由には感じなかった。明るい屋外シーンでは、十字ボタンの"下キー"を1秒以上長押しすることで、液晶の明るさを一時的に最高にセットし、視認性を高められるのが便利だ。

【左】自分撮りもできるチルト式液晶モニター。可動構造はシンプルだ 【右】ボディ側面にはストロボスイッチとWi-Fiの通信部を備える

AFには、コンパクトデジカメで一般的なコントラスト検出式を採用する。大きなセンサーを搭載したカメラは、フォーカス制御用に動かす光学系も大きくなるため、小さなセンサー搭載機に比べてAFスピードが遅くなりがちな傾向がある。だが本モデルでは、新型のインナーフォーカスによってフォーカスレンズの小型軽量化を図り、公称値約0.14秒のAF時間を実現。試用では、小型センサー機に比べて遜色のない、スピーディなAF駆動を実感できた。

【左】モードダイヤルでは、オートからマニュアルまで11モードが用意 【右】メニューの基本インタフェースは、これまでの同社製品を踏襲する