会場の規模から予想できること
予想できるのは「同社にとって転換点となる重要なもの」「iPhone以外にも複数の製品」というあたりだ。折しも招待状送付前日にあたる27日、Re/codeでJohn Paczkowski氏が「Appleが9月9日で(iWatchといわれる)ウェアラブルデバイスも発表する可能性」について言及している。
現在、4.7インチと5.5インチのiPhone 2製品が発表されるのが既定路線のようにいわれているが、これにとどまらず腕時計型のウェアラブルデバイスを含めた複数の製品やサービス、そしてビジネス戦略が語られる可能性が高まりつつある。先ほどの招待状送付タイミングや会場選定は、このPaczkowski氏の報道に説得力を与える材料となっている。
そしてもう1つ、Appleがビジネス的岐路に立ちつつあることとも無縁ではないと考えられる。基本的にAppleのビジネスは盤石であり、たとえスマートフォン市場でのシェアが減少し続けても販売台数そのものは増え続けており、この従来のハイエンド路線に変更はないはずだ。
だが一方で株主らのプレッシャーとして「成長市場でのさらなる成長」も求められており、特にスマートフォン販売台数の伸びが高い中国を始めとした新興国での戦略を何らかの形でアピールする必要性に迫られている。既存路線のままで盤石なビジネスを優先するのか、あるいはiWatchなどの別の可能性で市場を広げることで投資家らを説得するのか、いずれにせよ9月9日の発表会は同社の現在の最大の主力製品である「iPhone」と、将来の可能性を秘めた「新型デバイス」のお披露目の場であり、今後の同社の評価を決める大事な日となるだろう。
最近では日本でも需要の一巡した印象のあるApple製品群だが、その転換点となる重要な発表会に注目しておくといいだろう。「0円でなければ(iPhoneなんて)売れない」という評価もある昨今だが、こうした世間の視線を振り切って新製品は真の意味でユーザーのニーズを満たすものになるのだろうか。追って本誌でもレポートしていきたい。
なお、イベントの開始は日本時間で9月10日の明け方前ごろになる。Web中継も行われる可能性が高いため、翌日の活動に支障をきたさない程度に楽しみにしていてほしい。