冒頭の補足
ちょっと冒頭の10%の意味合いが判りにくいかと思うので、補足しておきたいと思う。グラフ1は2008年第2四半期からのXilinxとAlteraの本国の売上高を四半期ごとにプロットしたものである。2010年の第4四半期にはかなり接近しているが、それでも全体とすると常にXilinxがAlteraを上回る売り上げを達成し続けているのが判る。ただこれは全世界の売り上げの合算である。
では日本支社の売り上げは? ということで、決算報告に示された日本の売上比率(%)をプロットしたのがグラフ2である。Alteraは大体16%前後の比率を維持しており、他方Xilinxは時々10%を超える事はあるものの、大体として10%程度で、特に2013年は通期で9%となっていた。
ではこの2つを合算するとどうなるか? というのがグラフ3であり、2008年第3四半期こそほぼ同じ売り上げだったが、その後は本国とは逆にAlteraの後塵を拝する状況がずっと続いていた。ただご覧の通り、2014年第2四半期(ちなみにXilinxの場合はこれが2015年第1四半期の売り上げと表現される)ではまだAlteraに負けてはいるものの、差がかなり縮まっており、かつ日本支社としては久しぶり(2011年のQ3以来)に6000万ドルを超える売上高(6130万ドル)を達成している。金額では僅かながら2011年のQ3(6110万ドル)を上回った事で、日本支社としては新記録であるし、なによりこれまで結構な差があったAlteraをキャッチアップできそう、というところまで近づいたのは、ローガン社長にとっては非常に嬉しい事であろうというのは予測できる。
あとはこの勢いが今後も維持できるかどうかというあたりで、これが冒頭で社長の述べた「バケツが出るのを待っている」に繋がると考えていただければ良いかと思う。