最初は、Photoshop、Illustrator、InDesign、Museというデザインツール群の新機能を見ていこう。

Adobe Photoshop CC

多くのユーザーを抱える「Photoshop CC」では、「Typekitの利用開始」、「焦点領域」、「フォント変更のライブ確認」、「スマートガイドの均等コピー機能」、「CCを介した共有素材の利用」など5種類の新機能が紹介された。

フォント変更のライブ確認に対応

Adobe Photoshop CCでもクラウドフォントサービス「Typekit」の利用が可能となった

まず、IllustratorやInDesignに続き、ようやくといった感がある「Typekitの利用開始」。デスクトップPCにフォントがない場合でも、Creative Cloud経由で1,000以上の欧文フォントが利用できるようになった。次に「Photoshopマジック」の一種とも言える「焦点領域」は、被写界深度の深い写真に背景ぼかしの演出を加えることのできる機能。このデモでは、3名の人物が写っている写真のうち中央の1名だけにピントを合わせ、ほかの部分はぼかすという処理を瞬時に行った。

「焦点領域」機能によって、写真素材の目立たせたい部分だけを残し、背景をぼかすことが可能になった。通常、被写界深度の調整は撮影時に行うが、それを後から加工により実現できる"Photoshopマジック"のひとつと言えるだろう

「CCを介した共有素材の利用」では、クラウドのストレージ内にある画像ファイルなどの素材を読み込み、直接編集などができるようになった。そのほか「フォント変更のライブ確認」や「スマートガイドの均等化機能」などの使い勝手に関わる改良もあり、こうした部分こそ心待ちにしていたユーザーは多いのではないだろうか。

3Dの活用例のひとつとして行われた自動車のポスターを作るデモンストレーションでは、ドロップシャドウをつける「反射効果の追加」や映り込みをつくる「テクスチャの読み込み」効果によって、Photoshop CC上で3Dデータを容易に扱えることを強調した

また、機能に特化したデモンストレーションでは、3D機能の活用がおもに紹介された。この機能は、3DデータをPhotoshop上で2Dデータとして編集可能とするもの。ちなみに現在では「.obj」など6種類のデータを開くことができる。CCロゴの2Dデータから3Dデータを作るデモンストレーションでは、押し出し機能やテーパー機能、テクスチャ機能を活用した3Dデータ作成のほか、作成後の3Dデータから元データのシェイプのみを抽出/修正できる「ソースを編集」機能のほか、これ以前のアップデートで対応した3Dプリンタでの出力に関する設定手順が紹介されていた。

3Dの活用例のふたつめとして、同社のロゴを使った3Dデータを作成。食器として成立させるために変形させたほか、先頃のアップデートで話題となった3Dプリンタへの対応についても再度触れた