デザインと役割を一新するアップデート

例年通り、秋に無料で配布される予定のOS X Yosemite。iPhoneやiPadとコンピューティングを途切れさせない継続性の確保や、クラウドとのよりわかりやすく自由度を高めた連携は、iPhoneやiPadを利用しているユーザーに対するより強いMacの訴求という点で魅力を発揮するだろう。

iPhoneがある家やオフィスでMacを使うことに、意味が出てくる。これはAppleしかできない魅力の出し方であり、かつてiPodのおかげでMacのブランドを高めたように、iPhone・iPadの力でMacをより押し上げていこうという戦略が見えてくる。

同時に、デザイン面やアプリ、クラウドの機能などで、iOSとOS Xの連携や共通点が増えれば増えるほど、その垣根が下がっていくことも確かだ。MacとiOSデバイスを明確に分けるものは、採用するCPUのアーキテクチャと物理的なキーボード、そしてタッチスクリーンくらいになってきたかもしれない。

松村太郎(まつむらたろう)
ジャーナリスト・著者。米国カリフォルニア州バークレー在住。インターネット、雑誌等でモバイルを中心に、テクノロジーとワーク・ライフスタイルの関係性を執筆している。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、ビジネス・ブレークスルー大学講師、コードアカデミー高等学校スーパーバイザー・副校長。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura