産業技術総合研究所(産総研)は5月15日、シャープと共同で赤外線カラー暗視撮影用の撮像素子を開発したと発表した。

同成果は、同所 ナノシステム研究部門 ナノ光電子応用研究グループの永宗靖主任研究員、太田敏隆上級主任研究員、計測フロンティア研究部門の時崎高志副研究部門長らによるもの。

今回開発した撮像素子は、暗闇でもカラー動画が撮影できる。さらに、映像の高精細化・高フレームレート化を実現する新方式を採用している。また、単板方式による撮影に適用できるため、撮影装置の小型化が可能。量産によって低価格化も実現する。これらを推し進めることで、赤外線カラー暗視撮影技術の適用範囲の拡大や新規アプリケーションの開拓などが期待されるとコメントしている。

現在、今回開発した撮像素子の一層の高性能化を図っている。また、シャープとナノルクス研究所が、2014年度中の製品化に向けて、より高度化された赤外線カラー暗視カメラや赤外線照射機などの開発を進めている。

パッケージ化された赤外線カラー暗視撮影用撮像素子。樹脂モールドパッケージとカバーガラスリッドによりパッケージ化された計35個の撮像素子が、静電気防止トレーの各区画に収められている。パッケージの上面サイズは約10mm角。なお、解像度はHD720(1280×720画素)で、30fpsの滑らかな赤外線カラー動画を撮影できる