一般市場向けBroadwell搭載NUCはキット販売のみ

一方、同氏は一般市場向けのBrodwell搭載NUCの"Rock Canyon"(ロック・キャニオン: 開発コードネーム)では、NUCボード単体の発売は見送られ、キット販売のみになることを明らかにした。同氏は、「現在のNUC市場では、キット販売が85%を占め、ボード単体の販売は15%に過ぎない上、そのほとんどはビジネス市場向け製品だ」として、一般市場向けではBroadwell世代でキット販売のみにラインナップを整理する意向を示した。

ただし、同じくBroadwellを搭載するビジネス市場向けの"Maple Canyon"では、ボード単体の販売を継続することも明らかにしており、既存ユーザーのアップグレードを検討しているユーザーは、同製品の利用を検討してもらいたいと説明する。

その一方で、同氏はNUC市場は立ち上がったばかりであり、市場ニーズを積極的に反映していく姿勢を見せる。同社は、初代NUCがストレージとしてmSATA SSDのみの対応で、2.5インチHDD/SSD対応の要望が強かったことを受け、現行のNUCではケースの高さを変更し、より廉価に大容量ストレージを搭載できるように変更した。現在も、前述のVIDYOなどから、より高性能なCPUやグラフィックスを搭載したNUCに対する要望が大きく、Core i7やIris Proグラフィックスの搭載も検討していることを明らかにするなど、市場の声を積極的にラインナップに反映していきたい考えを示す。

また、ISS 2014のショーケースでは、ワイヤレス充電に対応したNUCのエンジニアリングサンプルが披露されたほか、HaswellベースのNUCを使った4Kディスプレイ表示や、Display Portのデイジーチェーン機能を利用した3画面出力などのデモも披露し、IT市場における最先端トレンドを積極的にサポートしていく意向を示すなど、NUCのエコシステム積極的に広げていく姿勢を見せた。

市場のフィードバックを受け、2.5インチHDD/SSD対応を果たした現行NUC(左写真の下側)と、初代NUC(左写真の上側)

NUCによる4Kディスプレイ表示と3画面表示のデモを披露

Display Portのデイジーチェーンによる3画面出力のデモでは、カスタムケースを採用したNUCが利用されていた

ワイヤレス充電に対応したNUCエンジニアリングサンプルのデモ

SteamOSなどを組み合わせて、NUCをゲームコンソールとして活用してほしいといアピール。ただし、同デモで利用していたのはIris Proグラフィックスを搭載したGIGABYTEのBrix Proだった