Mozillaは、4月29日(現地時間)にFirefoxの新バージョンとなる「Firefox 29」をリリースした。今回の新バージョンでは、新たなUI(ユーザーインタフェース)となるAustralisが搭載された。すでに、Thuderbirdではバージョン15にて搭載されており、Mozillaではモバイル環境も含め、統一されたUIとしていく方針である。

しかし、UIの大きな変更が行われると、アドオンなどで動作に影響を受けるものも少なくない。逆向きの発想であるが、アドオンバーなどを復活させるClassic Theme Restorer(Customize Australis)アドオンを紹介しよう。

また、Mozilla Japan主催による、リリース記念パーティが4月29日開催された。まずは、そのパーティをレポートしたい。

一新するFirefox、リリース記念パーティ

Mozilla Japan代表の瀧田佐登子氏によれば、世界中のMozillaの拠点でリリースのお祝いをしようということが持ち上がり、リリースが一番早い日本でも何かできないかということで、急遽、今回のパーティーを企画したとのことである。場所は、Mozilla Japanのオフィスであったが、まず会場に着くと、ガラスに書かれたイラストに目を奪われた。

図1 ガラスに書かれたイラスト

会場内にも、今回の新機能などを紹介したイラストがあった。

図2 新機能紹介のイラスト

フォクすけのイラストがなんともいえない雰囲気を出していた。このイラストを書かれたのは、イラストレータ・デザイナの小太刀御禄(こだちみろく)氏である。

図3 小太刀御禄氏

突貫作業となったが、たくさんフォクすけを書けて楽しかったと感想を語っていた。ホームページなども公開しているので、お名前で検索すればみつけることができる。

当日は参加者がみずからハンバーガーを作ることになった。この理由であるが、図2に「バーガーボタン」とあるが、FirefoxのUI開発チームではメニューボタンをこう呼んでいるとのことである。ボタンの3つの要素イメージが、バーガーのバンズとパティの3層構造に似ていることに由来する。そこで、バーガーボタンでカスタマイズできるのだから、今晩はバーガーをカスタマイズして食べよう、というのが今日の趣旨とMozilla Japanの浅井智也氏が披露した。

図4 浅井智也氏

こうしてさまざまなカスタムバーガーが作られた。

図5 思い思いに作られたバーガー、中央はショップ特製で「New Firefox」の文字やタブの絵がある

そんなイベントを楽しみながら、Firefox 29の紹介を前出の浅井智也氏が行った。Firefox 29の特徴をまとめると、図6のようになる。

図6 新たなFirefoxの特徴

カスタマイズは後述するとして、パフォーマンスについて、起動やタブを開く速さだけではなく、ネィティブに3Dゲームなどブラウザで体験できる世界を広げていくことは、Firefoxの大きなアドバンテージであると説明した。

図7 3Dゲーム: Epic Soulのデモ

そして、Mozillaのユーザーのプライバシーを守るという基本姿勢も、Firefox 29を起動するとすぐに伝わってくるだろう。もう1つだけ興味深い内容を紹介したい。Mozillaでは、図8のようなユーザーの利用統計を収集している。

図8 実際のユーザーの利用統計

赤い色に近づくほど、利用頻度が多いものである。ちなみにもっとも高いのは戻るボタンである(Firefoxで戻るボタンが大きいのは、これが理由である)。この分析から、ツールバーやメニューに必要なものは何かといった検討を徹底的に行った。その結果が、Australisである。

当日は、日本語版Firefoxのローカライズを担当するコミュニティメンバーも紹介された。登壇したのは、Firefox Desktop担当のhATrayfloodこと阿部大樹氏、marこと今中匡彦氏。そして、Firefox for Android担当のKecholこと鈴木和幸氏、加嵜長門氏である。

図9 左から加嵜長門氏、鈴木和幸氏、阿部大樹氏、今中匡彦氏、そして、浅井智也氏

それぞれの方がどんなこと関わっているか、そして、日本語化に関して何かあれば、ご意見やご希望をいただきたいとのことである。このように、日本人もMozillaの開発に関わっているんだということを改めて認識させられた。じゃんけん大会も開催され、帰宅時には記念パーティの参加者に、フォクすけのアイロンビーズが配られた。

図10 フォクすけアイロンビーズ

これを作成されたのは、アイロンビーズ・クリエイターのヌン氏である。

図11 ヌン氏

もっとも好きなアドオンは、Firebugとのことだ。彼女もまた、ブログなどを公開しておらえる。こちらも興味をもたれたら検索してほしい。かわいらしいアイロンビーズも楽しめる。一見すると、Firefoxとは関係ないような方々が集まった記念パーティであるが、このオープンなところが、まさにMozillaの一面を表しているといえるだろう。代表の瀧田佐登子氏は、みなさんの助けなしでは活動していけないと語っていたが、多くの人々が集まるのもMozillaの魅力ではないだろうか。他にもさまざまなイベントがある。テーマもFirefoxだけではない、積極的に参加してみてはいかがだろうか。