ヤマハは、歌声合成技術「VOCALOID(ボーカロイド)」による楽曲制作を、自動作曲サービスや専用クラウドストレージなどでサポートする会員制クラウドサービス「ボカロネット」を開始することを発表した。サービス開始は2014年7月を予定。会員登録のみで利用できる無料会員のほか、より多くの機能を使えるのプレミアム会員(月額税別500円)も展開される。

ヤマハ 会員制クラウドサービス「ボカロネット」

「ボカロネット」の主な機能は、歌詞だけで曲が作れる自動作曲サービス「VOCALODUCER(ボカロデューサー)」と、VOCALOIDアプリケーション間の連携に役立つクラウドストレージ「ボカロストレージ」のふたつ。「VOCALODUCER」は、これまで法人のみに提供されていた技術を、一般ユーザーでもWebサイト上で利用できるようにしたもの。テキストボックスに歌詞を入力して曲調や歌声を選ぶだけで、伴奏と歌声からなる楽曲ができる「カンタンモード」と、メロディのテイストや伴奏のジャンル/スタイル、テンポ、コード進行などを細かく指定して作曲できる「ノーマルモード」といった2種類のモードで自動作曲が楽しめるサービスだ。

歌詞を入力して曲調や歌声を選ぶだけで曲が作れる自動作曲サービス「VOCALODUCER」の「カンタンモード」(左)、伴奏スタイルやコード進行などを細かく指定して自動作曲する「ノーマルモード」(右)

一方「ボカロストレージ」は、「VOCALOID3 Editor」や「VOCALOID Editor for Cubase」などの「ボカロネット」対応アプリケーション間での楽曲データのやりとりをシームレスに行えるクラウドストレージだ。同ストレージへの楽曲データの保存や読み込みは、対応アプリケーション上から直接行えるほか、前述した「VOCALODUCER」で制作した楽曲も自動的に保存されるため、例えば「VOCALODUCER」で作った楽曲を他のアプリケーションでさらに編集することも可能ということだ。

なお、これらの機能はどちらも会員登録を行うだけで無料にて利用できるが、月額500円(税別)のプレミアム会員になると「ボカロストレージ」の容量が5GBに増量される(無料会員は500MB)ほか、自動作曲サービス「VOCALODUCER」の機能も最大利用回数や歌声の種類、伴奏音源、作曲できる小節数の増加、伴奏MIDIファイルのダウンロード機能などといった機能を利用できるということだ。