Universal Windows Apps(以下、ユニバーサルアプリ)は、Windows 8.1向けアプリとWindows Phone 8.1向けアプリで共通のランタイムを採用することにより実現。統合開発環境にはVisual Studios 2013が用意され、開発言語にはC#とC++、JavaScript/HTML5を使用できる。一種のクロス開発環境であり、PCやタブレット、スマートフォンなど複数のデバイスに最適化されたアプリを一気通貫に開発できることがメリットだ。

この仕組みはiOSとOS Xの関係と少し似ているが、根本的な部分で異なる。前述したとおり、ユニバーサルアプリは共通のランタイムを使用するため、プラットフォームごとに異なるプロジェクトを用意してコードを書き分ける必要がないのだ。すべてとはいかずとも(実際にはいろいろありそうだ)、コードの大半を共有できることのメリットは大きい。Microsoftはユニバーサルアプリの機構をXbox OneやWindows for IoT(Internet of Things)にまで広げる意向を示しており、そうなれば「クラウドをあらゆるデバイスですべての人に」の実現に大きく貢献することになる。

Microsoftが下した「Windows OSの一部無償化」という決断は、今後コンピューティングにおける裾野の部分を担うスマートフォン/タブレットに確たる地歩を築く、という狙いに一定の効果をもたらしそうだ。まずは端末とユーザを増やす必要があるが、その際は買収を完了したNokiaのリソースが生きてくる。魅力的な端末を提供できるかどうかも含め、無償化後第一弾となるWindows Phoneの発表を待ちたい。