パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は4月1日、ウェアラブル/モバイル機器向けに小型かつ0.35mmの狭ピッチを実現したコネクタ「S35」シリーズと、タブレットやノートPCなどの機器内の高速伝送ニーズに応える0.4mmピッチのコネクタ「P4Sシールドタイプ」を発表した。

スマートフォンをはじめとするモバイル機器市場のさらなる軽薄短小ニーズと、高機能化の進展によって、バッテリの大型化に伴う基板サイズの縮小が進んでいる。このような中、各種モジュールの接続に使用されるコネクタには、さらなる幅、高さ、および端子ピッチの小型化と、優れた接触信頼性や操作性(組立性)が求められており、今後、本格的な実用化が見込まれるウェアラブル機器では、さらに厳しいスペックと実績が要求されてくると見られる。一方で、コネクタの小型化を進めると、接触信頼性や実装性、作業性が損なわれるという課題がある。

「S35」シリーズでは、独自のタフコンタクト構造とファインフィッティング構造を採用することにより、コンパクトサイズながら優れた接触信頼性と作業性、堅牢性、クリック感、抜去力を実現し、ウェアラブル機器に求められる厳しいニーズに対応する。また、デザイン性の向上やさらなる高機能化に寄与し、ウェアラブル機器の市場拡大に合わせシェア拡大を図っていくという。

0.35mmの狭ピッチを実現したコネクタ「S35」シリーズ

また、ノートPC分野では、Ultrabookの登場により高性能で小型・薄型の製品が主流となる中、基板や部品の配置スペースの制約などから基板を分けて配置する構造が採用され、基板間を接続するコネクタの員数が増加している。さらに、PC市場では機器の高機能化に伴い、処理速度や無線通信速度の高速化が進み、機器内接続部のノイズ対策が強く要求されている。しかし、現行のコネクタでは、高速伝送時に輻射ノイズの発生、または周辺部品などからノイズの影響を受けることで、通信速度や処理速度の低下を招く危険性がある。その他、高速伝送での使用には、別途ノイズ対策部品などが必要だった。

「P4S」では、独自の解析評価技術を駆使し、コネクタにシールド板を設け、多点グランド端子を効率よく配置する構造を採用することで、輻射ノイズを低減。高速伝送時も安定した伝送が可能となり、特に高解像画像データなどの取り扱いが多いタブレットやノートPCのパフォーマンス向上に寄与するとしている。

なお、両製品ともすでに販売を開始している。

0.4mmピッチのコネクタ「P4S シールドタイプ」