2014年3月24日から27日にかけて、シリコンバレー首都を自称するSan Jose市のMcEneryコンベンションセンターでNVIDIAの「GPU Technology Conference(GTC 2014)」が開催される。GPUメーカーが主催するカンファレンスであるが、今年の参加者数は3500人を超え、500件の発表が行われる。昨年は2500人、400件であったので、GPUに関心を持つ人の数の増加が続いている。

GTCの会場のMcEneryコンベンションセンター。昨年は工事中であった前庭のオブジェも完成した

メーカー主催のカンファレンスとしては、IntelのIDFなどが有名であるが、こちらはIntelの発表が大部分である。一方のGTCはNVIDIAからの発表はせいぜい2割くらいで、大学や研究機関、関連の会社からの発表が多く、メーカーの宣伝だけではなく、IEEEなどが主催する国際会議に近い発表内容となっている。

GTC会場のロビーの風景。初日はチュートリアルで、まだ参加者は少ない

GPUに関しては、NVIDIAは、2月18日に最新世代のMaxwellアーキテクチャの「GTX750」と「GTX750Ti」グラフィックスボードを発表したのであるが、これらは「GM107」と呼ぶ中規模のGPUチップを使う製品で、今回のGTCで、MaxwellアーキテクチャのハイエンドのGM110が発表されるのかどうかに注目が集まる。また、自社開発の64ビットARMコア(開発コード名:Denver)を搭載するTegraチップに関して新たな発表があるのかどうかも注目される。

NVIDIAは、新しいビジネス分野として、自動車関係とリモートでグラフィックス処理を行うグリッドに力をいれている。今回のGTCでは、日本のデンソーの発表を含め、多くの自動車関係の発表が行われる。また、センター側に強力なGPUを置いて描画処理を高速に行い、インターネットでつながる端末側には強力なGPUがなくても、3Dゲームを楽しんだり、3D CADを動かしたり、グラフィックデザインなどが行えるグリッド関係の発表も多く行われる。

実質、3日くらいで500件の発表が行われるので、常に10件以上の発表が同時並行的に行われ、多い時には30件以上の発表が重なる。このため、ごく一部のセッションしか聞くことができないことから、筆者としてはHPC関係にフォーカスして今後レポートをしていく予定である。