Xbox Oneがようやく日本国内で展開される。MicrosoftはXbox Oneを2013年11月に「第1市場」へリリースしたが、「第2市場」として日本を含む26カ国で2014年9月に発売することを明らかにした。

2014年9月にリリース予定の「Xbox One」

Xbox Oneの概要はさておき、気になるのは「なぜ、日本が第2市場に分類されたのか?」である。MicrosoftはXbox 360について、2013年10月時点で全世界で8,000万台を売り上げたと発表している。一方、ファミ通の調査によると、日本国内におけるXbox 360の推定累計販売台数は160万7,559台。全世界の2%程度なのである。Xbox 360のメイン市場が欧米であったことから、Xbox Oneの発売に際して日本が第2市場に分類されたのは致し方ないだろう。

この背景には、任天堂とソニーという二大巨頭が据え置き型ゲーム機市場を占めていたことがある。Microsoftは2002年にXboxで果敢に日本市場にチャレンジしたが、存在感を示すに至らなかった。続くXbox 360も前述のとおりだが、据え置き型ゲーム機市場そのものの衰退も無視できない。前述のファミ通の調査によれば、Wiiは推定累計販売台数が1,273万8,079台なのに対し、Wii Uは151万8,427台と散々な結果。これはゲーム機のトレンドがスマートフォンに移行しつつあるためだ。

Xbox Oneはこれまでの据え置き型ゲーム機が目指してきた最新のハードウェア構成にこだわらず、リビングにおけるコミュニケーションやエンターテインメントマシンとして位置付けられている。Xbox Oneは発売から2週間強で200万台を売り上げ、第1市場では受け入れられているようだ。

ただ、本来の据え置き型ゲーム機としてXbox Oneをみると、リリース予定のゲーム一覧にキラータイトルといえるようなものは少ないように思う (筆者が年を取ったせいかもしれないが)。コミュニケーション機能をリビングで使えるのはメリットだが、これもノートPCやスマートフォンがあれば事足りてしまう。この点に関してはPlayStation 4も同じだ。我々PCユーザーはXbox Oneにどのような魅力を感じていいのか不明確なのである。

Xbox One用シューティングゲームの「Crimson Dragon」

Xbox Oneの発売まで約半年。この間に日本を含む第2市場でテレビ放送との連動準備を行えるか不明だが、個人的にはXbox Oneを購入するか、Kinect for Windows V2 (仮称)まで待つか思案中である。今後のMicrosoftおよび日本マイクロソフトが発する情報に注目したい。

阿久津良和(Cactus)