エキシビジョンマッチの決勝は中村太地六段(左) 対 野月浩貴七段

プロ棋士たちによるエキシビジョンマッチの決勝は、中村六段と野月七段の戦いに。開始1ターンで優位に立ちながらもぼやいている野月七段の様子を見た阿久津八段は、「野月さんは『いやーそうか』とかぼやいてますけど、将棋は上手くいっている人のほうがぼやくことが多いんですよ。次上手くいけば勝てるとでも思ってるんじゃないですか」と棋士特有の解説。また決勝でも「ナットレイ」を使った戦術を見て「野月さんは将棋と全然戦略が違いますね。将棋だと"攻め100%"の人なんですよ。なのにポケモンだとじわじわじわじわと(笑)」と将棋とポケモンでの戦術の違いを冷やかされると、野月七段が「賞品ほしいんで」と意地になる一幕も。結果は、ドラゴンポケモン「ボーマンダ」の「りゅうせいぐん」が上手く決まり、野月七段が勝利。マンダのりゅうせいぐんはつよい。

優勝した野月七段は賞品を受け取り、「やった! 裏にも初代ポケモン竜王戦って書いてある!」と子どものようなはしゃぎっぷり

思い思いのスタイルで予選リーグに臨む少年少女たち

会場では、まず予選リーグが行われた。選手の小学生たちからも並々ならぬ気迫が感じられ、カードゲームの大会の参加者の中には「必勝」と書いてあるハチマキを巻いている少年がいた。リアル「きあいのハチマキ」だ。

リアル「きあいのハチマキ」、よく似合っています

ゲームの参加者には、洗濯機型のポケモン「ウォッシュロトム」のぬいぐるみをそばに置いて対戦に臨む少年や、腕に包帯を巻いた、ただならぬ雰囲気を放っている少年もいた。

また審判もしっかりついており、誰が見ても審判とわかるように白と黒の服に「MASTER」の腕章をつけていた。どっからどう見ても審判だ。また、なぜか首から「身代わり人形」のマスコットを下げている審判の方もいた。あれはなんだったんだろう。あれも込みで、審判員のユニフォームなのだろうか。なんやかんやと見ているうちに、予選リーグが終了。カード・ゲームそれぞれ4名の選手が、準決勝へとコマを進めていた。

勝者が決まったすぐそばで

勝者が決まるということは、それはまた敗者が決まる、ということを意味する。会場では、地方大会を勝ち抜いてきたものの惜しくも敗れてしまった少年・少女たちの悲しさや悔しさも感じられた。中には、座り込んで、大号泣してしまっている選手の姿もあった。地方の予選を勝ち抜いてきたとはいえ、まだまだ小学生。感情が爆発してしまったのだろう。

その大号泣している姿を見た別の参加者が、「大丈夫だよ、俺なんか1勝2敗なんだよ」と自分の悔しさを置いておきながら悔し泣きしている参加者を励ましている様を見て、なんだかとってもあたたかい。さらにその子の親が「めっちゃがんばった」と声を掛けていて、あまりにも感動した。泣きそうになった。青春群像劇。これぞ「メガガルーラ」ばりのガチ「おやこあい」。ポケモンすごい。