オートデスクは19日、同社3DCGアニメーション制作ソフトウェアの新バージョンとなる「Autodesk Maya 2015」および「Autodesk 3ds Max 2015」などと、これらをパッケージにしたスイート製品「Autodesk Entertainment Creation Suite 2015」を2014年4月14日より出荷開始すると発表した。

「Autodesk Maya 2015」のBifrost プロシージャル エフェクト プラットフォーム画面

「Autodesk 3ds Max 2015」イメージ。強化されたシーンエクスプローラとレイヤーエクスプローラの画面

今回発表されたのは、「Autodesk Maya 2015」「Autodesk 3ds Max 2015」「Autodesk Softimage 2015(単品販売なし)」「Autodesk MotionBuilder 2015」「Autodesk Mudbox 2015」「Autodesk Maya LT 2015」の全6製品と、これらをパッケージにしたスイート製品「Autodesk Entertainment Creation Suite Standard 2015」および「Autodesk Entertainment Creation Suite Ultimate 2015」の2製品。

新バージョンではいずれも、先進的な機能セットの採用を進めたほか、パフォーマンスとシステム信頼性を強化。また、各ソフトのユーザーインターフェイスに共通性を持たせることで、業務ワークフローの相互運用性を高めたという。

各ソフトウェアの新機能を個別に見ていくと、「Autodesk Maya 2015」では、液体効果をシミュレーションするプロシージャエンジン「Bifrost」を新たに搭載したほか、フォトリアルなレンダリングも可能となった。また、ヘアやファー、羽をスタイリングする「XGen プリミティブ ジェネレータ」を搭載し、nHairツールセットによるシミュレーションなども実現している。

また「Autodesk 3ds Max 2015」では、超高解像度メッシュの扱いを軽量化し、テクスチャベイキングを高速化するなど、ビューポート機能を強化。膨大なデータセットでも高速かつ快適に作業できるようになった。また、ActiveShadeプレビューレンダリングで新たにmental rayをサポートしたほか、実際に存在するものをキャプチャした大量のデータセットをポイントクラウドデータとして読み込んで表示・レンダリングが可能となっている。

さらに「Autodesk Softimage 2015」では、Alembic 1.5 キャッシュフォーマットに対応したほか、ICEシーンの読み込みやビューポーとでの大量データ選択速度を改善。「Autodesk MotionBuilder 2015」では、マイクロソフト「Kinect」のプラグインを搭載し、簡易モーションキャプチャと音声認識による制御が可能となった。「Autodesk Mudbox 2015」では、既存のメッシュから左右対称のメッシュが作成できるようになったほか、カリパスツールによりモデルまたはカーブ上の2点間の距離計測が可能に。「Autodesk Maya LT 2015」では、ポリゴン制限が2万5,000から6万5,000に増加している。

「Autodesk Softimage 2015」。Alembic 1.5 キャッシュフォーマットでの読み込み・書き出しの画面

「Autodesk MotionBuilder 2015」。Kinectを使用した簡易モーションキャプチャの画面

「Autodesk Mudbox 2015」。スカルプト、ペイントレイヤのグループ機能

なお、「Autodesk Entertainment Creation Suite Standard 2015」には、Maya 2015または 3ds Max 2015のいずれかと、MotionBuilder 2015、Mudbox 2015の3製品が含まれており、「Autodesk Entertainment Creation Suite Ultimate 2015」には、Maya 2015、3ds Max 2015、Softimage 2015、MotionBuilder 2015、Mudbox 2015の5製品が含まれる。全製品の価格は以下のとおり。

製品ラインナップ

製品名 希望小売価格(税別)
「Autodesk Maya 2015」 永久ライセンス:51万円、レンタルプラン:3万2,000円/月~
「Autodesk 3ds Max 2015」 永久ライセンス:51万円、レンタルプラン:3万2,000円/月~
「Autodesk MotionBuilder 2015」 58万5,000円
「Autodesk Mudbox 2015」 11万円
「Autodesk Maya LT 2015」 永久ライセンス:11万円、レンタルプラン:7,000円/月~
製品名 構成内容 希望小売価格(税別)
「Autodesk Entertainment Creation Suite Standard 2015」 「Autodesk Maya 2015」または「Autodesk 3ds Max 2015」、「Autodesk MotionBuilder 2015」、「Autodesk Mudbox 2015」 永久ライセンス:80万5,000円、レンタルプラン:12万6,000円/3カ月
「Autodesk Entertainment Creation Suite Ultimate 2015」 「Autodesk Maya 2015」、「Autodesk 3ds Max 2015」、「Autodesk Softimage 2015」、「Autodesk MotionBuilder 2015」、「Autodesk Mudbox 2015」 永久ライセンス:95万円、レンタルプラン:14万8,000円/3カ月

また、今回発表された「Autodesk Maya 2015」および「Autodesk 3ds Max 2015」に関するデモイベントが、東京・秋葉原UDXシアターにてそれぞれ開催される。最新版Mayaを紹介する「The day of Maya」は4月17日13:30から、最新版3ds Maxを紹介する「The day of 3ds Max」は4月18日13:30から。なお、いずれのイベントも、ライブストリーミング中継が予定されている。詳細は同社サイトまで。